研究課題/領域番号 |
23320136
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
飯塚 一幸 大阪大学, 文学研究科, 教授 (50259892)
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研究分担者 |
村田 路人 大阪大学, 文学研究科, 教授 (40144414)
宇野田 尚哉 大阪大学, 文学研究科, 准教授 (50324893)
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キーワード | 近世史 / 思想史 / 水戸藩 / 水戸学 / 会沢正志斎 |
研究概要 |
平成23年度は途中での採用であったため、以下のような研究成果を挙げた。 1)業者に依頼して大阪大学文学研究科が所蔵する会沢正志斎書簡全点を撮影しDVDに収録、研究代表者・研究分担者全員に配布した。 2)研究代表者の所属する大阪大学文学研究科日本史研究室の大学院生6名を研究協力者として組織し、会沢正志斎書簡の翻刻・校正を進めた。現在、思文閣出版から刊行を予定している『会沢正志斎書簡集』(仮)に収録すべき会沢書簡すべての初校が出て、その半分程度の校正が済んだところである。ここまでの作業を通してみても、本書簡が、(1)近世後期の水戸藩政や中央政局、幕末の水戸藩「鎮派」の動向、あるいは(2)会沢正志斎を取り巻く人的ネットワークを解明する上で膨大な情報量を含んでおり、極めて重要な史料群であることが明らかになりつつある。 3)場合によっては『会沢正志斎書簡集』に収録することを念頭に、水戸藩の儒者杉山復堂の会沢宛書簡についても翻刻を進めつつある。 4)研究代表者・研究分担者は、各自の研究課題にそって、国立公文書館や茨城県立歴史館などで史料収集に当たった。特に、茨城県立歴史館が所蔵する高橋清賀子家文書にある水戸藩「鎮派」の指導者の一人豊田天功関係史料を撮影し、研究代表者・研究分担者にDVDとして配布したことは、今後の研究の進展にとって重要な成果である。 5)幕末の水戸藩家老安島帯刀の史料整理が行われているとの情報を得たので、撮影が可能か現在交渉中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
会沢正志斎書簡集の刊行へ向けた作業はおおむね順調である。しかし、(1)年度途中での採用で研究課題に着手する時期が遅れたこと、(2)当初研究分担者として予定していた一名がドイツに一年間教員として派遣され分担者を一時的にはずれたことから、研究課題を遂行するための史料収集や相互の情報交換といった点でやや遅れを来している。
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今後の研究の推進方策 |
1)昨年度から引き続き、研究代表者の所属する大阪大学大学院文学研究科日本史研究室の大学院生ちを研究協力者として組織し、会沢書簡の翻刻・校正を進める。作業が遅れた場合には、関西で幕末維新期を研究している若手研究者にも協力を依頼する。 2)昨年度撮影して研究分担者に配布した会沢書簡のDVDを活用し、各自の研究課題の解明に努める。また、研究代表者・分担者は、各自の研究課題にそって、関係史料・文献を可能な限り収集する。その際、できるだけ史料情報を共有するために、デジカメによる史料の撮影を行い、DVDとして配布する。 3)会沢書簡から得られた新たな知見や史料情報を共有、研究課題の進捗状況を確認し、相互批判を逼して本研究の成果を挙げるために、大阪大学で研究打合せ・研究会を実施する。また、適宜所属学会などで報告を行う。
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