研究課題/領域番号 |
23320139
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
服部 英雄 九州大学, 比較社会文化研究科(研究院), 教授 (60107521)
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研究分担者 |
五味 文彦 放送大学, 教養学部, 教授 (60011326)
神田 由築 お茶の水女子大学, その他部局等, 准教授 (60320925)
高野 信治 九州大学, 比較社会文化研究科(研究院), 教授 (90179466)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 皮革 / 太鼓胴内銘文 / 陰陽師 / 夙 / 菖蒲革 / 癩 / 墓守 / 地名 |
研究概要 |
分担者や協力者による調査の進行と研究成果の公開に努めた。(1)地域資料叢書として竹中友里代『八幡菖蒲革と石清水神人』を刊行した。この本は鹿皮加工に関わる技術や神人との関わりを扱ったもので、刊行後直ちに『京都部落問題研究資料センター通信』35(4月25日号)にて紹介されるなど反響を呼んでいる。 (2)前年度韓国における差別に関わる韓国語文献の日本語訳を行ったが、今年度は日本の差別問題に関わる文献(研究代表者に関わる著述分)について英訳・韓国語訳を進めた。近いうちに公開できるよう準備中である。(3)太鼓胴内銘文の収集は福岡市内1軒、岡崎市内1軒と連携・協力が得られたので、恒常的な情報収集が可能になっており、収集銘文も増加した。さらに多くを収集できる体制を作りうる可能性もある。(4)奈良県立同和問題史料センターとの連携も進み、12月3日(火)、橿原市かしはら万葉ホールにて開催された、開所20周年記念講演会・人権教育シンポジウムにては研究代表者が「中世奈良の風景」との題で講演した。会の終了後、関係者が薬師寺周辺および法隆寺周辺を歩き、ハンセン氏病患者(=癩者)と寺院門前にて喜捨を得る関係、墓守の問題などの具体的理解を進めた。(5)地名資料の整理も進み、地名地図集である『四千人が二千の村で聞き取った四万の地名、しこ名』(花書院)を刊行した。差別の問題について文章化はしてはいないが、実際には深い関連があるものも含まれる。これにはCDによる地名一覧データを付している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
全体的に差別問題の研究進化に貢献できている。当初の課題である研究方法論についても関係者との共通理解が進んできていて、研究実績も促進されている。
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今後の研究の推進方策 |
残り2年となったので、成果のまとめを考えていく。5月に研究集会を奈良にて開催する。太鼓胴内銘文の収集は2太鼓店との連携がうまくいっている。この体制を維持する。栃木県太鼓店から連絡があったので、今後の拡大を図れるかも知れない。また方法の拡がりも検討していく。科研費事業が残り2年で終了するが、こうした情報収集システムをいかに維持するかを検討する。
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