研究課題/領域番号 |
23320146
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研究機関 | 国文学研究資料館 |
研究代表者 |
山田 哲好 国文学研究資料館, 研究部, 准教授 (70220390)
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キーワード | 伊勢商人 / 長井家 / 江戸来状 / 史料群構造 |
研究概要 |
初年度であるため、連携研究者・研究協力者の全体会議を6月18日に現地(津市石水博物館)で開催し、本研究の目的と計画について討議と確認を行った。これに基づいて、整理と目録化のためのマニュアルも作成し、その改訂を進めながら実施した。 調査は、事前調査(5月18日~21日)と予備調査(10月18日~21日)を各1回行うと共に、本調査は6月17日~21日、8月16日~21日、12月16日~22日の3回を実施し、延べ65名の参加を得て、江戸来状群の整理と目録化とその構造分析を進めた。目録化は約3,500点で、デジタル撮影は80点、360カットで、これらの内容と構造分析を進めている。 本研究の対象である江戸来状群は、江戸中期以降約200年間に亘り江戸店から松坂本店に定期的に送付された文書群で、そのほとんどが書状形式であることが判明した。その内容は、江戸店の経営に関わる様々な案件に関わって、その処理法の本店指示窺いや支払い・帳簿記載方法についての窺いなど多岐に及ぶ内容で、経営帳簿では数値だけであるが、その実態を具体的に裏付けられる内容であることが判明できた。また、節季の挨拶状など日常生活に関わっての儀礼的な文書も多いが、伊勢商人としての人的ネットワークの解明にも寄与する内容である。ただし、江戸店からの来状だけでなく、松阪本店で送受した文書も混在していることも明らかとなった。その一例として、松阪で本居宣長が医家を勤めていたことは周知のことであるが、その活動の実体を示す記録は皆無であったが、本文書群に長井家の当主の診断をした結果報告が自筆の書状として存在しているなど、今後の調査の進展に期するところ大である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度が初年度であるので、対象の江戸来状群の整理・目録化を最優先したので、内容分析と構造分析は次年度以降本格的に着手することになる。整理・目録化の効率化をも図りながら進めたい。
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今後の研究の推進方策 |
対象の江戸来状群は、そのほとんどが書状形式であるため、整理・目録化の段階で個々の内容情報の採録に時間を要する状態である。統一的な内容情報の記述などをマニュアル化しながら、さらなる進展が可能な処理を図りたい。また、糊付け部分の剥離が多く、デジタル撮影も時間を要しているので、撮影方法の改善も図りながら進めたい。
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