研究課題/領域番号 |
23320157
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研究機関 | 立正大学 |
研究代表者 |
近藤 和彦 立正大学, 文学部, 教授 (90011387)
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研究分担者 |
勝田 俊輔 東京大学, 人文社会系研究科, 准教授 (00313180)
姫岡 とし子 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (80206581)
坂下 史 東京女子大学, 公私立大学の部局等, 教授 (90326132)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 西洋史 / 文明 / 記録 / 記憶 / 史料 / 文化衝突 / ヨーロッパ |
研究概要 |
近現代のヨーロッパ人が他者に遭遇し、異質なものの理解を迫られ、あらたな知を獲得する局面で残した記録に注目し、積極的な史料論により、歴史の再構築をめざすという本研究の目的は、計画のとおりに進展中であり、本年度の研究成果の主なものは別欄に列挙する。 平成24年度は3年間の研究の第2年度にあたる。第1に、研究分担者・連携研究者の全12名が参加する研究会を2回、すなわち6月17日に東京で、1月12~13日に沼津で催して、課題を確認し、各分担テーマの研究史をふまえて批判的な史料分析と議論を呈示し活発に討論することができた。またメンバーのうち計6名の参加であったが、9月11~14日に連合王国ケインブリッジ大学トリニティホール学寮にて、日英歴史家会議(AJC)の一部となる国際研究集会をもち、近藤の総司会、後藤の部会司会、吉澤、坂下のペーパーに加えて、他に連日数十名の出席者による充実した討論が実現した。英文の査読版プロシーディングズが現在編集中であり、そのための学識者による添削校閲にたいする謝金が支出されている。また代表者をふくむ一部メンバーは7月8日に東京で、3月23日に京都で研究討論会をもった。さらにeメールによる討論も継続している。 第2に、これらと並行して各研究者は文献と海外出張によるリサーチを重ね、史料調査とともに当該分野の研究者と最新情報および意見の交換をおこなった。なお近年の史料のディジタル化による効果は最大限に利用している。第3に、これらを通じてえられる学術情報を整理し、登録するために、電子機器や文房具を購入し、謝金を支出しつつ、データベース化した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3年間の共同研究の中間の年度であり、共通課題の了解をふまえた具体的なイシューについての研究者相互の討議は、上記したとおり全員の会合、一部の討論会、そしてeメール交信などで、所期のとおり達成している。全員が各大学で多忙な研究教育行政に従事していることを考慮すると、順調な進展といえる。
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今後の研究の推進方策 |
第1年度、第2年度の成果をふまえ、予定どおりに進行する。第3年度の計画の中心には、全メンバーによる上海・天津の旧ヨーロッパ租界の実踏研修旅行がある。本研究計画では、対外的な衝撃・接触・交渉によって異質なものを学び摂取し、たえまなく旧来のシステムを編成替えするところにヨーロッパ文明の力を認めつつ、多様な研究蓄積の批判的な分析を推進する。 各個の研究成果をふまえて国の内外における研究集会に取り組み、ペーパーの発表、そして研究を総括する出版など、盛り沢山に予定している。
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