研究課題/領域番号 |
23320160
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松井 康浩 九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 教授 (70219377)
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研究分担者 |
土屋 好古 日本大学, 文理学部, 教授 (70202182)
池田 嘉郎 東京理科大学, 理学部, 准教授 (80449420)
浅岡 善治 福島大学, 人間発達文化学類, 准教授 (80347046)
中地 美枝 北海道大学, 文学研究科, 准教授 (90567067)
松戸 清裕 北海学園大学, 法学部, 教授 (10295884)
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キーワード | 近現代 / 公衆 / 公論 / 市民 / 主体性 / エイジェンシー / 国際研究者交流 / ロシア |
研究概要 |
本研究は、公衆や公論等を概ね含意するロシア語のobshchestvennostの機能や働きを、19世紀後半から現在に至る各時期の歴史的事象や文脈に照らして検討することで、近現代ロシアにおける公衆/公論の政治的社会的役割を考察するとともに、その中に市民の主体性(agency)を見いだすことを目的とする。 平成23年度は、本研究プロジェクトメンバー(研究代表者・分担者・協力者)がそれぞれ対象とする時期と具体的な研究課題を確定し、その上で、キー概念であるobshchestvennostが各時代でどのような意味合いをもって使われていたのかについて調査を進めた。と同時に、研究代表者がこのキー概念をめぐる先行研究の知見を整理することで、本研究プロジェクトを進めていくうえでの共通理解の構築を目指した。以上の作業をとりまとめるために7月31日に第1回研究会を早稲田大学で開催し、意見交換を行った。 ロシアの各文書館の夏季休暇が終わる9月以降、プロジェクトメンバーの多くは、各自の研究課題に関わるアーカイヴ調査をロシアや関係国(フィンランドや米国)で実施し、作業を進めた。その成果報告を兼ねて、平成24年3月10日に第2回研究会を日本大学で開いた。第2回研究会では、各メンバーがそれぞれ本年度の研究の進捗状況を報告し、今後の研究作業の進め方についても意見交換を行った。また、研究代表者が、本研究プロジェクトのもう一つのキー概念である主体性(subjectivity/agency)について、社会学や文化人類学などの知見を交えて理論的整理を行い、分析概念としての有効性の有無につき意見を交わした。 以上の作業の結果を踏まえて、研究プロジェクト2年目が終了する平成24年度末までには、全てのメンバーが、一定の完成度を伴った研究報告を実施できるとの見通しを得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究プロジェクトのキー概念についての理解と、メンバー各自の研究を貫く全体テーマについてのコンセンサスを得た。また、アーカイヴ調査を含めて、各メンバーの研究作業はほぼ予定通りの進捗状況にある。以上のことから、本研究は全体として概ね順調に進展しているものと評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画の変更などの必要性は認められない。引き続き、メールや研究会を通じて意見交換を重ねながらも、各メンバーがそれぞれの研究課題についての作業を実施していく予定である。なお、プロジェクト2年目が終了する時点で、全員が各自の研究報告を実施することで合意し、最終年度の執筆作業に向けた前提条件を整えることとした。
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