①北方四島のフィールド調査/色丹島の遺跡調査:色丹島の北東部のイネモシリ湾の北部(湾奥部)周辺の地域を踏査した。その結果、新たに8カ所の遺跡を確認した。時期は、縄文~続縄文文化期、オホーツク文化期、擦文文化期、アイヌ文化期である。この地域は戦後初めて調査となり、17~18世紀に消滅するアイヌ文化期のチャシを確認するなど重要な調査となった。また、北方四島で採集の黒曜石とカムチャツカ産の産地分析を行なった。 ②国内の千島列島考古・遺跡情報収集/大学・博物館所蔵資料の調査:国立民族学博物館、国立歴史民俗博物館、北海道大学北方生物圏フィールド科学センター、釧路市立博物館などで資料調査を実施した。特に千島アイヌ関係のテンキ資料、クナシリメナシの戦いと関係する「夷酋列像」の撮影・資料調査を実施した。 ③国外の千島列島考古資料/遺跡情報調査:サハリン州郷土博物館の研究者との情報交換を行ない同博物館で千島関係の考古学的な展示会が開催された。カムチャツカの調査については、先方の日程の都合がつかず実施できなかった。 ④研究成果の普及/研究会・報告会の開催:研究会・報告会などで調査・研究の成果を報告した。北方四島の学術専門家の交流では、記者会見などを開き調査・研究の成果を報告した。
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