研究課題/領域番号 |
23320175
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研究機関 | 新潟県立歴史博物館 |
研究代表者 |
西田 泰民 新潟県立歴史博物館, その他部局等, 研究員 (80172667)
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研究分担者 |
吉田 邦夫 東京大学, 学内共同利用施設等, 研究員 (10272527)
渋谷 綾子 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, その他 (80593657)
宮尾 亨 新潟県立歴史博物館, その他部局等, 研究員 (90245655)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 古食性 / 安定同位体分析 / 脂質分析 / 儀礼 / 国際研究者交流 |
研究概要 |
24年度は試料サンプル採取を考古資料では新潟県胎内市野地遺跡(縄文時代後晩期)、同魚沼市正安寺遺跡(縄文時代中期)、民族資料ではパプアニューギニア及びエチオピアの土器について付着炭化物を採取した。 縄文土器の安定同位体分析および脂質分析により、後晩期の土器では器種別に内容物に大きな差があったことが判明した。これが儀礼食そのものを示しているかはさらに検討を要するが、従来からいわれていたように、いわゆる精製土器と粗製土器の使用法の違いは科学的にも裏付けられたといえる。一方、中期の土器では対象とする土器がいずれも火焔型もしくは王冠型土器に分類される土器に偏っていたため、器種別の差は次年度以降の分析に持ち越されることとなった。ただし、ほとんどが海産物のバイオマーカーを示したことは非常に興味深い。 アメリカよりエチオピアの民族考古学調査を行っているJ.アーサー博士を招聘し、日本人研究者2名とともに儀礼食と考古遺物に関する講演会を開催した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
サンプリングはほぼ計画通りに行うことができており、共同研究員、研究協力者による化学分析も良好な結果を得ている。また、海外研究者の招聘と講演会の開催を実現できた。
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今後の研究の推進方策 |
地域の異なる資料のサンプリングを計画しており、東北地方および近畿地方でサンプリングの内諾を得ている。脂質の安定同位体分析では参照のため国内現生動植物のサンプルを追加する必要があるので、入手方法について検討を進め、次年度内に結果を出す予定である。 民族誌調査は主に動物食の儀礼を念頭に置いていたが、水棲動物のバイオマーカーが検出されていることから、魚類の儀礼利用についての文献調査を行う予定である。
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