研究課題/領域番号 |
23320182
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
堤 研二 大阪大学, 文学研究科, 教授 (20188593)
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研究分担者 |
大田 伊久雄 愛媛大学, 農学部, 教授 (00252495)
鳴海 邦匡 甲南大学, 文学部, 准教授 (00420414)
小林 茂 大阪大学, 文学研究科, 名誉教授 (30087150)
西野 寿章 高崎経済大学, 地域政策学部, 教授 (40208202)
長澤 良太 鳥取大学, 農学部, 教授 (40314570)
波江 彰彦 大阪大学, 文学研究科, 助教 (40573647)
小林 潔司 京都大学, 経営学研究科, 教授 (50115846)
松島 格也 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60303848)
伊藤 勝久 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (80159863)
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研究期間 (年度) |
2011-11-18 – 2014-03-31
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キーワード | 中山間地域 / 林業 / 森林 / 住民生活 / モデル構築 |
研究概要 |
平成24年度には、本研究の年度計画の中で最大規模の予算を投入して、各分野での作業や調査を進めた。具体的には、各分担者の研究計画を再確認した上で、研究予算の配分を行い、各自が責任を持って予算執行を行っていった。すなわち、農林統計関係のデータ類、および、統計作業・成果報告用のソフトウェア等の購入を行った。また、GISデータ入力作業については、対象地域の選定作業に則り、鳥取県日野郡日南町の下石見地区と決定し、関係各方面への連絡を行いつつ、GISデータ作成・入力を本格化させた。このほか、各自で必要な物品などの購入を行った。 平成24年5月にスウェーデンのスコーネ地方で開催の研究集会に複数の構成員が参加し、研究発表を行い、さらにはフルペーパーの論文原稿を作成した。一部のメンバーは、ひきつづきヨーロッパに滞在し、ドイツ南部バイエルン州の森林管理に関する実地調査を挙行した。 また、平成24年8月下旬に前記の日南町において農林家調査ならびに複数の林業関係組織を対象とした林業近代化・森林GISに関するヒアリング調査を敢行した。 前記のデータ収集や調査手法の検討等のほか、森林GIS、森林史、林業合理化・近代化関係の書籍類の購入も進めながら、林業合理化・近代化等に関する地域的成功事例の検討を継続して行った。 以上のように平成24年度には急ピッチで諸調査を本格的に実施し、あわせて、各自が国内外の研究会・学会等で成果発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究の二年度目に当たる平成24年度には、メインとなる諸調査を本格的に実施した。具体的には、海外における森林利用・林業近代化の調査や、国内における山間地域を対象とした農林家調査やGIS構築のためのヒアリング調査等である。また、計画していたGIS構築に関するデータ入力なども粛々と進めた。さらに複数のメンバーが複数回にわたって国内外の学会・研究会等で研究成果を発表した。その点では、計画以上に主年度としての成果をあげられたと評価できよう。
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今後の研究の推進方策 |
(1)林野利用・林野制度の概要と歴史的変遷:大状況としての日本の森林環境の現実を引き続き明らかにする。 (2)モデル構築、地域調査結果分析:昨年度の8月下旬に林業を含む就業調査を鳥取県日野郡日南町の一部地区を対象として行った。その成果をまとめる作業を進める。また、一般均衡モデルをベースに山間地域に関する財政モデルと社会・経済会計表にもとづくモデル構築を検討する。 (3)林業と兼業・ソーシャル=キャピタルとのリンケージ:前記の諸研究調査と連動させながら、林業経営に関する調査・研究を継続して行う。 (4)中山間地域・流域圏林業の存立条件:東日本(とくに関東地方)および西日本(とくに中四国地方)において、河川の流域を単位とした林業展開や地域エネルギー施策を実証的に調査・研究する(継続)。 (5)GISを利用した森林管理:鳥取県日南町を対象として、森林に関するデータベース(日南町地理情報システム:「N-GIS」)の構築を継続する。森林データベースは、森林簿等を用いて樹種、樹齢、蓄積量、間伐・主伐の予定などを入力できるように設計し、経年変化によるデータ更新も反映させる。また、各林地区画の代表地点の標高・傾斜、林道からの距離、林道の種別、高機能機械の進入可能性、木材輸送用架線の有無なども引き続き調査する。資産性や課税額も表示できるように計画する。さらに、山林の所有者・利用者の属性などの社会関係データや、施業の程度などのデータも追加入力できるように設計する準備も行う。 以上のほか、各担当者は国内外で調査を行うとともに、林業・ソーシャル=キャピタル関連の比較調査や学会での成果報告に臨む。
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