研究課題/領域番号 |
23320191
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
鏡味 治也 金沢大学, 人間科学系, 教授 (20224339)
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研究分担者 |
長津 一史 東洋大学, 社会学部, 准教授 (20324676)
森山 幹弘 南山大学, 外国語学部, 教授 (50298494)
金子 正徳 国立民族学博物館, 研究戦略センター, 外来研究員 (50435541)
津田 浩司 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (60581022)
中谷 文美 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (90288697)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 生活用品 / 消費様式 / 国民文化形成 / インドネシア |
研究概要 |
本研究は、インドネシアを主な研究対象地、隣国のマレーシア、シンガポール、フィリピンを比較対照の事例として、各国内での消 費様式や生活必需品の共通度、普及度を検証し、それが国民文化や民族文化の形成に果たす役割を明らかにすることを目的とする。 3 年目にあたる本年度は、2年目に検討した生活用品リストの修正点を、夏前の金沢での研究打合せで確認し、 夏以降参加者が手分けしてインドネシア等で資料収集調査を行った。それをもとに年度末の国内打合せでWeb上での収集データの共有方法を検討した。 本年度の研究打合せおよび海外調査も、研究代表者・分担者のほか、研究協力者として阿良田麻里子(国立民族学博物館・外来研究員)と森田良成(天理大学国際学部・非常勤講師)を加えて実施したほか、新たに山口裕子(岡山大学・客員研究員)を研究協力者に加えて国内打合せに参加してもらった。 資料収集調査は引き続きインドネシア国内で手分けしてで実施したほか、東チモールやオランダでもデータ収集を試みた。Web上でデータベース化した(ただし現在のところ閲覧はメンバーに限っている)資料だけで46世帯分、インドネシア国内13地域の9民族およびタイ・フィリピン・シンガポールの東南アジア3カ国分におよぶ。インドネシア国内の生活用品の共通性と地区ごと、民族ごとの違いがどういった品目に現れるかについてはほぼ見通せる段階まで来たので、次年度はインドネシアと他国の差異をより明確に意識したデータ収集とリストの改善に取り組む予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
収集に用いる生活用品リストの開発・改善はほぼ完了し、それぞれの品目についてどのようなことを聞き出したらいいかについてもメンバー各自が経験をつんで、効率よいデータ収集ができるようになっている。 研究参加者もさらにひとり加えて順調にデータ収集を続けており、Web上で閲覧できるようにしたデータも46世帯分と相当のボリュームになってきている。その結果メンバー相互のデータ参照が容易になり、手分けして収集しているデータの相互比較から問題を立てる環境も出来上がってきている。ただしそうしたデータ共有を踏まえた具体的な分析対象や切り口の設定は今後の課題である。
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今後の研究の推進方策 |
すでに蓄積されているデータの相互比較から、インドネシア国内での共通性と、民族ごと、地域ごと、あるいは宗教ごとの差異を見つけ出し、そこからどんなことが言えるのかを検討する段階に来ている。またインドネシアについては一定のデータが収集されたので、こんどは他国にももっとデータ収集を展開して、より本格的に国ごとの比較ができるようにする必要がある。そのため平成26年度は、国内打合せでは資料分析の論点を議論することに時間をかけるとともに、収集調査をインドネシア以外の国で、しかも時間調整のつく複数メンバーが合同でデータ収集に立ち会い、現場で意見を交換することを試みたい。
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