研究課題/領域番号 |
23320195
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 国立歴史民俗博物館 |
研究代表者 |
山田 慎也 国立歴史民俗博物館, 研究部, 准教授 (90311133)
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研究分担者 |
常光 徹 国立歴史民族博物館, 研究部, 教授 (40321541)
松尾 恒一 国立歴史民族博物館, 研究部, 教授 (50286671)
小池 淳一 国立歴史民族博物館, 研究部, 教授 (60241452)
原山 浩介 国立歴史民族博物館, 研究部, 准教授 (50413894)
青木 隆浩 国立歴史民族博物館, 研究部, 准教授 (70353373)
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キーワード | 国民国家 / 通過儀礼 / 年中行事 / 変容 |
研究概要 |
民俗の変容の諸要因のなかで、政治的要因については、生活改善運動や新生活運動に関する資料の収集を行った。とくに三月節供などでは、華美になる風潮に対し、大人中心のものであるとして、こども中心の儀礼への主張を行っており、年中行事の変質をうかがわせる資料でもあった。また医療的要因については、大正期の病院の死亡診断書の控の調査を進めている。明治期の医制をはじめとする医療法令や墓地取締規則細目標準などによる届け出の方式の整備などで、医師による死亡確認によって届出をしないと埋火葬ができないなど、医療と葬送の手続きの一体化が進んでいくプロセスが把握できる. さらに社会的要因に対しては、結婚の作法書の収集を進めている。近世にもさまざまな作法書があったが、近代になるとさらに刊行される。これは地域の慣習にとらわれない新中間層の成立や婚姻の広域化による儀礼の標準化とも考えられ、さらなる調査が必要である。また経済的要因に関しては、デパート等の儀礼の介入であり、節供や七五三、結婚式などは消費の場としてデパートも積極的に展開しており、またその際に新たな流行を作り出している。また近年は節供行事を観光化に生かす試みが各地でなされ、徳島県勝浦町のピックひなまつりや山形県酒田市の庄内雛街道の調査を行った。 雛行事に関しては、勝浦町は全国に先駆けて行ったという点で、さらなる調査を行う必要がある。さらに結婚式に関しては、社会的要因だけでなく、上記のような経済的要因もみられるし、さらには純血の発想など、医療的な視点もはいっており、様々な変容の要因に留意していく必要があることが明らかになってきた。 さらに医療化に関しては、「近代化のなかの誕生と死」のフォーラムを開催し、出産の医療化と葬制の商業化、墓制め法制化について検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の基礎となる、資料の調査収集だけでなく、また現地調査も行っており、これらは研究に進展による成果と考える。
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今後の研究の推進方策 |
継続して資料調査や現地調査を進めるとともに、紙面分析を行い、研究の総合化を行う。
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