研究課題/領域番号 |
23320196
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研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
鈴木 紀 国立民族学博物館, 先端人類科学研究部, 准教授 (40282438)
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研究分担者 |
陳 天璽 国立民族学博物館, 先端人類科学研究部, 准教授 (40370142)
岸上 伸啓 国立民族学博物館, 先端人類科学研究部, 教授 (60214772)
関根 久雄 筑波大学, 人文社会科学研究科(系), 教授 (60283462)
白川 千尋 国立民族学博物館, 民族文化研究部, 准教授 (60319994)
鈴木 七美 国立民族学博物館, 先端人類科学研究部, 教授 (80298744)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 社会的包摂 / 実践人類学 / フェアトレード / イヌイット / 青年海外協力隊 / NGO / 無国籍者 / 支援 |
研究概要 |
社会的包摂を目的とする支援活動(フェアトレード、国際協力NGO、国際協力ボランティア、先住民族支援、無国籍者支援)に関する研究をおこなった。 日本文化人類学会第46回研究大会(広島大学)にて分科会「グローバル支援の人類学:支援研究から人類学的支援へ」、第73回アメリカ応用人類学会(デンバー市)にて分科会「Anthropology of Global Supporting: How Can We Forge Reciprocal Bonds between Civil Societies?」を開催した。これらと平行して、以下の調査をおこなった。 鈴木紀は、国際フェアトレードラベル機構の認証を受けたボリビアのカカオ生産者団体エル・セイボを訪問し、有機カカオ・フェスティバルに参加して、フェアトレードが生産者の文化活動に及ぼす影響を調査した。岸上は、カナダ国ケベック州モントリオール地区において低収入およびホームレスのイヌイットの生活実態関する聞き取り調査を先住民団体マキヴィクの協力のもとで実施した。白川は、コミュニティ開発の活動に取り組む青年海外協力隊員を対象とした調査をラオスで実施し、隊員の活動や隊員とカウンターパート・活動対象者の相互関係などを聞き取った。関根は、ソロモン諸島で有機農業の普及を通じて生業改善活動を展開するNGOの事例に注目し、当該プロジェクトのさまざまな関係者の「感情」のあり様に留意しながら聞き取り調査を行った。鈴木七美は、北米で手工芸品のフェアトレードを推進するテンサウザンド・ヴィレッジズに関し、各ストアの地域的特徴・多機能化の状況と社会的包摂に関する参与観察・聞き取り調査を実施した。陳は、日本に在住する無国籍者や無国籍者を支援する団体の情報収集を行った。また、無国籍者への国を越えた支援方法について、タイとインドネシアの支援団体についても調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
鈴木紀が当初予定していたベリーズ国での調査が、年度中に実施できなかったため、予算の一部を翌年度(平成25年度)に繰り越した。また白川の調査地が、調査対象者の都合により、ネパールからラオスに変更になった。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度には、平成24年度の遅れを回復できる見込みである。したがって全体としては、当初の予定どおり研究を継続する。研究遂行上の問題点はとくにない。
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