研究課題/領域番号 |
23330038
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
権左 武志 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (50215513)
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研究分担者 |
飯田 芳弘 学習院大学, 法学部, 教授 (40232128)
遠藤 泰弘 松山大学, 法学部, 准教授 (30374177)
林 知更 東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (30292816)
今野 元 愛知県立大学, 外国語学部, 准教授 (60444949)
田口 正樹 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (20206931)
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キーワード | ワイマール / 連邦主義 / 単一国家論 / ライヒ改革 / ボン基本法 / プロイス / カール・シュミット / ヘルマン・オバン |
研究概要 |
1、飯田芳弘:ワイマール期のライヒ改革を探求し、連邦主義の対極に位置する単一国家論が重要な位置を占める点に注目した。3月のドイツ史研究会では、ドイツ史における単一国家論の系譜を取り上げ、プロイセン首相オットー・ブラウンの単一国家論について報告した。2、遠藤泰弘:ギールケとラーバントの間で展開された連邦国家論争を中心に、第二帝政創立期の秩序構想について成果を公表した。ワイマール憲法の起草者フーゴー・プロイスの政治構想を究明し、直接公選大統領制を導入した経緯と意図について、5月の学会で発表した。3、権左武志:昨年3月の在外研究で収集したカール・シュミットの遺稿を分析し、ワイマール末期の連邦制論議とライヒ改革が、州の画一化を通じ、第三帝国の創立につながった点を、一次資料を中心に解明し、研究成果を公表した。4、今野元:ミヒャエル・フェルトカンプや北住炯一の先行業績に依拠して、ボン基本法制定時の連邦制論議の概略を把握し、11月のドイツ史研究会で発表した。8月にベルリンを訪問し、近年連邦制論を展開しているヴァイヒライン教授と対談した。5、林知更:ワイマール期憲法理論における連邦制と民主政の関係について研究を進めた。第一に、分析視角を一般理論的次元で考察し、連邦制と民主政の対立を説く見解と調和を説く見解との対立点を解明した。第二に、連邦制理解が憲法概念や憲法史の捉え方とどんな関係にあるか、ドイツの学説史研究の成果を検討し、3月のドイツ史研究会で報告した。3月にミュンヘンを訪れ、シェーンベルガー教授と招聘の打ち合わせを行った。6、田口正樹:ヘルマン・オバンと東方研究の関係を詳論したエドゥアルト・ミューレのモノグラフを材料に基礎的データを確認し、11月のドイツ史研究会で報告した。ワイマール期ラント編成の領域的再編に関する論争とオバンら地方史家の関係について、資料収集と考察を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
7月の第1回研究会では各研究分担者の個別課題を定めた上で、11月の第2回研究会では田口正樹・今野元の両名が、3月の第3回研究会では飯田芳弘・林知更の両名がそれぞれ研究状況を報告し、討議を交わした。また今野元・林知更の両名は、短期の在外研究でドイツ人研究者と対談し、今後の招聘の準備に携わった。従って、初年度の研究計画はおおむね順調に進展していると評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、長期の在外研究を予定する研究分担者が3名いるため(内2名は9月まで)、研究会は10月以後に3回開催する予定である。研究課題に精通するゲストを2名呼んで報告を聞くほか、3月にはシェーンベルガー教授を招聘し、札幌・東京・大阪で講演会を開催する準備を進めている。
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