研究課題/領域番号 |
23330039
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
内山 融 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (00242066)
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研究分担者 |
高橋 直樹 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (30146948)
鹿毛 利枝子 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (10362807)
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研究期間 (年度) |
2011-11-18 – 2015-03-31
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キーワード | 政治学 / 専門性 / 政策形成 |
研究概要 |
本研究課題は、日米欧の先進諸国を対象に、政策過程において諸分野の専門性・専門家がいかなる条件で活用されるようになるのかを、歴史的淵源と現代の諸政策について広く検討するものである。専門性と民主的意思決定を対置する従来の議論が、専門家が専門性のみに基づいて行動するという仮定で分析を進めてきたのに対して、本研究は、官僚や専門職といった政府内外の多様な専門家について、彼らが独自の利害や選好を抱えた主体である点を考慮して分析を進める。また、専門家を活用する政策当事者が、専門家の権威を借りたり、彼らに政策の責任転嫁をしようとする場合がありうることも視野に入れている。このように、本研究は、従来よりも現実的な見方から、専門性の政治的存立要件を明らかにし、専門性の政治的位置づけを再検討し、その生産的な活用に資する議論を提供することを目的としている。 平成24年度は、実証・理論両面での作業を勧めた。各自のテーマに関する実証的研究を進めると同時に、専門性をめぐる理論的検討も発展させた。各自の実証研究については、研究代表者である内山融のとりまとめの下、研究分担者及び連携研究者各自が国内外の現地調査を行いながら、推進した。内山融は日英の経済政策について、高橋直樹は英国の政党等について、苅田真司は社会科学の歴史について、牧原出は日本の司法について、伊藤武は西欧の非多数決主義的機関(NMI)について、川嶋周一はEUの専門家委員会について、鹿毛利枝子は日米の市民団体等について、岡山裕は米国の司法について、藤田由紀子は日英の医系技官について、伊藤正次は日本の国税専門官等について、杉之原真子(研究協力者)は国際金融に関わる行政官について、各々研究を進めた。実証的研究と並行して行う理論枠組みの検討においては、内山と苅田が取りまとめを行い検討を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画開始の2年度目として、研究代表者・研究分担者・連携研究者がそれぞれ各自の担当分野について着実に研究を進めた。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度以降は、24年度の成果を踏まえ、実証・理論両面での作業を継続する。各自のテーマに関する実証的研究を進めると同時に、専門性をめぐる理論的検討も発展させる。
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