１９７０年代の日本の政治的再編－第２の「戦後」の形成過程

2012 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 23330045
• 研究機関: 獨協大学
• 研究代表者: 福永 文夫 獨協大学, 法学部, 教授 (60199255)
• 研究分担者: 永野 隆行 獨協大学, 外国語学部, 教授 (30306261) ; 大矢根 聡 同志社大学, 法学部, 教授 (40213889) ; 吉次 公介 沖縄国際大学, 法学部, 教授 (40331178) ; 若月 秀和 北海学園大学, 法学部, 教授 (60350295) ; 楠 綾子 関西学院大学, 国際学部, 准教授 (60531960) ; 村井 良太 駒澤大学, 法学部, 准教授 (70365534) ; 竹中 佳彦 筑波大学, 人文社会科学研究科(系), 教授 (80236489) ; 服部 龍二 中央大学, 総合政策学部, 教授 (80292712) ; 雨宮 昭一 獨協大学, 法学部, 教授 (90007766) ; 中島 琢磨 龍谷大学, 法学部, 准教授 (20380660) ; 五百籏頭 真 公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構, 研究調査本部, 理事長 (10033747)
• 研究期間 (年度): 2011-04-01 – 2014-03-31
• キーワード: １９７０年代 / 政治的再編 / 自民党 / 社会党 / 三角大福

研究概要

５月１９日東京で研究打ち合わせ会を行ない、各自分担および平成２４年度研究計画を確認した。
本年度は、加藤紘一衆議院議員（６月２７日）、福田康夫元首相（９月２５日から２０１３年１月１６日までの間計５回）および上西朗夫元毎日新聞記者（２０１３年２月１５日、同２２日）からヒアリングを研究会を兼ねて行った。加藤紘一氏からは主に大平正芳元首相に関する事項を、福田康夫氏と上西氏からは１９７０年代を中心に福田赳夫氏に関わる興味深い話をうかがった。福田赳夫氏の人物から政治観に至る新しい知見を得た。なおヒアリング記録はすべてペーパーとして起こしている。さらに福田元首相からは、福田赳夫元首相関係の著書・論稿をいただいた。永野氏を中心に国会図書館で集めた福田赳夫氏雑誌論稿とともに目録を作成する予定である。
また本年度は、主に大平正芳記念財団所蔵（東京都千代田区）の大平正芳日記と大平正芳氏の手帳を含め「大平正芳関係文書２」としてDVD化した。手帳の一部－日中国交正常化に関するメモ解説を付して『中央公論』７月号で紹介した。新たに発掘されたキリスト教関係者との書簡、戦前の中国滞在時の書簡等が含まれている。大平首相の秘書官森田一の日記も収録した。森田日記は事実上『大平日記』ともいえる貴重な歴史資料である。なお２月末と３月初め、永野がオーストラリアに、楠がアメリカに当該期の資料収集に赴いた。その成果は次年度に報告されることになっている。

現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度に大平正芳関係文書をDVD化したほか、当時の大平番新聞記者（宇治敏彦氏、阿部穆氏）からヒアリングを行うとともに、三木武夫関係資料の確認し、そして朝賀昭氏（元田中角栄秘書）からもヒアリングを行い、大平、三木、田中三氏の資料状況について確認した。
本年度は、残された福田赳夫氏関係の資料収集および関係者からのヒアリングを中心に進めた。福田関係資料はまとまった形では残っていないが、福田康夫元首相から一部提供していただき、その他国会図書館で雑誌等の原稿も収集、書かれた資料はほぼ集めることができた。また福田康夫氏および上西氏からのヒアリングによって、記録に残らない福田赳夫氏の動きを補充できた。さらに福田赳夫後援会誌『新風』を提供していただく予定である。

今後の研究の推進方策

『森田一日記』を翻刻・出版し、１９７０年代政治史の基礎史料として提供する。田中角栄氏の資料収集が捗っていないが、次年度は以上の成果をもとに、各自のテーマをもとに研究会を進め、成果の出版に向けて検討する予定である。

研究成果

• [雑誌論文] 新史料発見－沖縄核密約と日中国交正常化 大平正芳メモ＜抄＞ (2012)
  • 著者名/発表者名: 福永文夫
  • 雑誌名: 中央公論 巻: １２７ ページ: 20―31頁
• [雑誌論文] 福田赳夫研究－1970年代を中心に (2012)
  • 著者名/発表者名: 若月秀和
  • 雑誌名: 立教法学 巻: 86 ページ: 109－194
• [図書] 大平正芳全著作集７ (2012)
  • 著者名/発表者名: 福永文夫監修
  • 総ページ数: 477
  • 出版者: 講談社