研究課題/領域番号 |
23330050
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
川島 真 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (90301861)
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研究分担者 |
青山 瑠妙 早稲田大学, 総合科学学術院, 教授 (20329022)
茂木 敏夫 東京女子大学, 現代文化学部, 教授 (10239577)
岡本 隆司 京都府立大学, 文学部, 教授 (70260742)
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キーワード | 中国外交 / 中国外交史 / 連続と非連続 / 中国外交通史 / 中国外交思想 / 政治文化論 / 冊封・朝貢 / 中国の近代外交 |
研究概要 |
本研究は、19世紀から現在にいたる中国の外交について、外交史研究者と現代外交研究者が共同チームを組織し、既存の時期区分を批判的に検証した上で、その連続性と変容過程を再検討することを目的としている。今年度は、それぞれが役割分担に即した個別実証研究を進めるとともに、全体を俯瞰する試みをおこない、たほうで研究会を開催するなどして、課題の克服につとめた。 まず、川島真「未完の「近代」外交…中国の対外政策の通奏低音」(『現代中国』)は、その連続性と変容について一つの枠組みを示した。また、19世紀後半については、岡本隆司の『李鴻章』(岩波書店)、また1949年以後、とりわけ、1978年以後については川島真のThe Development of the Debate Over "Hiding One's Talents and Biding One's Time'(taoguan yanghui): China's foreign-policy doctrineが外交思想や言説を、青山瑠妙「中国「アジア一体化」の戦略と実像」が地政学的な空間論を提示している。しかし、20世紀初頭前後、1949年前後については未だに議論が十分に尽くされているとは言い難く、また制度面での考察も課題として残されている。こうした問題を克服すべく、初年度は、東アジア国際関係史研究会を二回開催するなどして、現代中国(現代東アジア)と近代中国(近代東アジア史)の接合面を探ろうとしている。次年度は、初年度の成果をふまえて、人事や制度などの分野別に、通史的に連続と変容の大枠を引き続き提示したい。このほか、制度や言説の分野における既存の外交"通史"の描かれ方を再度検証し、それぞれが何に依拠して時期区分をおこなったのか、いかなる事象に注目しているかということを提示し、中国外交史の時代区分の根拠を再検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
所期の目的はほぼ達成されているものの、やや進行にばらつきがみられるため。
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今後の研究の推進方策 |
進行が遅れている点については、その原因を考慮し、必要に応じて研究代表者が補強するか、目標設定を調整する。
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