研究課題/領域番号 |
23330054
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
竹内 俊隆 大阪大学, 大学院・国際公共政策研究科, 教授 (60206951)
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研究分担者 |
星野 俊也 大阪大学, 大学院・国際公共政策研究科, 教授 (70304045)
敦賀 和外 大阪大学, グローバルコラボレーションセンター, 准教授 (40595592)
ホーキンス ヴァージル 大阪大学, 大学院・国際公共政策研究科, 准教授 (10511040)
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キーワード | 国連安全保障理事会 / 安保理改革 / 投票力指数 / バンザフ指数 / 平和構築 / 投票行動 |
研究概要 |
国連安保理は「国際の平和と安全の維持」に主要な責務を持つが、現在直面している大きな課題の一つに平和構築がある。平和構築がその代表的な一例であるが、安保理が今後も政治的に果たさなければいけない(と思われる)役割の全体的な把握は、進んでいると言えよう。安保理が改革される際の全体的な構成の枠組みを考える上で、安保理の効果的な運営に関する理解は重要な要素となる。その意味で、現在の安保理がおかれた現状への政治的な調査・研究は、計画通りに進捗していると言えよう。逆に言うと、現状の把握に力点を置いたため、1960年代の調査が遅れている側面もある。 投票力指数を用いた分析は、バンザフ指数を用いた有力国の投票力の試算が、現状の有力な改革案に基づくさまざまな状況を場合分けしながら、完了している。この試算に基づいた分析・考察は今後の大きな課題でもあるが、計画通りの進捗状況と言える。平成24年度の課題であるが、拒否権を勘案した現実の投票行動に基づく分析手法の確立の準備は、各種文献に当たり検討しているが、なかなか妙案が浮かんできていない状況にある。 投票行動・決議内容の調査に関しては、本年度は当初の予定にもかかわらず、アフリカ諸国に関する現地調査に重点を置いたため、予定していた1990年代の全般的および分野別の投票行動・決議内容の調査は部分的にしか実行できていない。最終的には安保理の理事国全ての冷戦終結後以降の投票行動(分野別のデータ解析も含めて)および決議案の内容を調査する予定であるので、アフリカ諸国以外の国の調査も進める必要がある。 HPを立ち上げる準備は予定通り完了した。平成24年度中にHPの立ち上げは完了するであろう。 広報活動に関しては、ミニ・シンポジウムを開催して、当課題に関する知識・認識の拡大にも努めたこともあげられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現状の政治的背景把握や投票力(バンザフ)指数による試算は、計画通り順調に進捗していると言えよう。しかし、1960年代の政治的背景の把握といった歴史的分析、および投票行動のデータ収集は、部分的にしか進行していないので、やや遅れていると判断できるのではないかと思料する。
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今後の研究の推進方策 |
一部で若干の遅れはあるが、計画自体の変更の必要性は感じない。歴史的な背景分析および投票行動などのデータ収集・分析に関する遅れを取り戻すように、計画に沿って調査・研究を実施する予定である。投票力指数に関しては、実際の投票行動を基にした理事国間の関係による加重、さらには拒否権も勘案しなければならない上に、こうした要素を含めて計算する数理的手法が確立しておらず、新たに手法を考案しなければならない。そのため、当初から想定はしていたが、そう簡単にはいかないものと思料する。
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