本研究(「中国のアフリカ政策の学際的分析」)の最終年度に当たる平成25年度の研究実績としては、まず従前通りに研究参画者による研究報告会を3回行った。その間、各研究分担者・協力者ともにテーマに沿った情報の収集・分析にあたり、各々の分担テーマについての進捗を図った。また、研究開始後3回目を数えるワークショップを平成26年2月24,25日の両日開催した。今回のワークショップには中国から2名、台湾から1名のアフリカ研究者を招き、日本人研究者1名と併せて報告が行われ、参加者の間での議論も活発に行われた。なお、報告者のテーマは周志発・浙江師範大学アフリカ研究院副研究員が「中国の対アフリカ価値感外交の欠如と対策研究」、賀文萍・中国社会科学院研究員が「ソフトパワーの構築は対アフリカ外交の核心」、厳震声・台湾国立政治大学教授が「中国のアフリカ進出のロードマップ」、そして六辻彰二・横浜市立大学講師が「FOCACの変遷とその背景について」であった。これらの報告で提出された研究論文の全文および質疑応答、総括部分の私のまとめなどを収録して冊子として刊行した(平成26年4月25日)。結果、本研究3年間においてワークショップで報告した研究者は、中国6名(他論文提出による参加者2名)、台湾1名、南アフリカ2名となり、日本側の報告者のべ10名となった。各年度ごとにワークショップで開陳された研究報告は各々冊子として刊行したことになる(日本語版2冊、英語版1冊)。今後の近い将来、それらの研究成果は私の編集の下で出版物として上梓する予定である。
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