研究課題/領域番号 |
23330066
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
山崎 耕一 一橋大学, 社会科学古典資料センター, 教授 (70134872)
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研究分担者 |
床井 啓太郎 一橋大学, 社会科学古典資料センター, 助手 (20508650)
福島 知己 一橋大学, 社会科学古典資料センター, 助手 (30377064)
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研究期間 (年度) |
2011-11-18 – 2014-03-31
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キーワード | 西洋古典 / 書誌学 / 経済学説史 / 思想史 / 出版史 |
研究概要 |
平成23年度に引き続き、古版本の書誌学的特徴について統計的分析を行う基礎データを作成することを目的として、一橋大学社会科学古典資料センターの所蔵資料のうち1500年から1800年に刊行された印刷本について、植字・組版上の特徴と出版事項に記載されている印刷事項の調査を行った。平成24年度はフランクリン文庫、近代ヨーロッパ社会科学貴重書を中心に調査した。具体的には以下の通り。 (1)調査項目・調査対象の再検討。調査の過程で記録すべき項目がいくつか見つかったので、さらに調査項目を増やした。ただしすでに相当数の資料が調査されていることから、再調査は行わず、新たに調査する資料についてのみ調べることとした。また、当初は1530年からを調査対象としていたが、実際の所蔵資料のうち1500年から1529年に出版された資料はごくわずかであり、独特の特徴を備えていることが実見できたので、この期間の刊行資料も調査対象に含めることとした。(2)実際の調査。研究代表者・山﨑耕一の監督の下、研究分担者・床井啓太郎及び福島知己が指揮して、10,326冊を調査した。そのうち調査対象となっている期間に刊行されたのは3,223冊であった。連携研究者の武者小路信和が調査方法のチェックを行った。(3)重複タイトルのチェック。同一タイトルが複数所蔵されている場合でもそのまま調査を行っているので、統計をとるのに先立って、重複を解消する必要がある。電子目録が作成されていない資料も多いので、主にカード目録を参照しながら、重複タイトルを確認した。異版・異刷や、いわゆるストップ・プレス・コレクションのように、単純に重複タイトルと結論づけてよいか検討を要する資料については、あらためて判断することとした。 また、床井啓太郎と福島知己は、アメリカ合衆国議会図書館で使用されている貴重書の目録規則について共同研究した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度に行う予定であった調査は順調に進展し、ほぼ予定していた冊数を調査することができた。調査項目の再検討により、さらに広がりのある調査を行うことができた。 アメリカ合衆国議会図書館で使用されている貴重書の目録規則Descriptive Cataloging of Rare Materials (Books)の分析が順調に進展した。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年8月まで引き続き所蔵資料の調査を行う。平成25年度は研究の最終年度であるので、データの検証と最終的な分析を行う。重複データや欠落のあるデータがないか確認したうえで、全体のデータを連携研究者の黒住英司の指導の下で分析し、分析結果をもとに印刷地推定手法の開発を行う。 並行して研究分担者の床井啓太郎と福島知己は、Descriptive Cataloging of Rare Materials (Books)の翻訳を行い、研究に資する。
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