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2011 年度 実績報告書

周期統計調査のミクロデータによるコーホート分析-文化需要の実証的研究-

研究課題

研究課題/領域番号 23330073
研究種目

基盤研究(B)

研究機関名城大学

研究代表者

勝浦 正樹  名城大学, 経済学部, 教授 (70224467)

研究分担者 有馬 昌宏  兵庫県立大学, 応用情報科学研究科, 教授 (00151184)
金城 ふみ子  東京国際大学, 経済学部, 教授 (50275799)
新谷 正彦  西南学院大学, 経済学部, 教授 (70069706)
橋本 紀子  関西大学, 経済学部, 教授 (60198687)
周防 節雄  兵庫県立大学, 学術情報館, 教授 (90162841)
キーワード経済統計学
研究概要

本研究の目的は,文化需要(文化芸術活動への参加及び支出)を説明するためのモデルを開発し,文化需要を規定する要因を実証的に分析することである.
諸要因を検討するために利用する主要なデータの1つは,研究分担者らが実施してきた「学生の芸術意識と芸術活動に関する調査」(学生調査)であるが,その時系列分析から得られる知見を反映することを考えている.そのために,学生調査のデータベースを,統計分析ソフトウェアでの時系列分析が可能となるようにする必要があるが,本年度は直近の調査のデータ整備(入力を含む)ならびに全体としてのデータベースの設計の検討を行った.また,直近の調査で入力が完了している10%抽出データに基づいた基本的な集計を行い,最近の大学生の芸術意識に関する分析を行った.こうした分析は,どのような観点から学生調査を総合的に分析していくのかを考える上での基礎をなすものである.
さらに,より一般的に文化需要の決定要因を詳細に考察するために,「社会生活基本調査」ならびに「全国消費実態調査」のミクロデータを,今後利用する予定である.本年度はその準備段階として,コーホート等を要因として取り入れた需要モデルの先行研究を再検討するとともに,学歴や年齢,コーホートを考慮して公表データを用いた文化需要の分析を行った.また今後ミクロデータを用いることを意識して,同調査のミクロデータによる分析の先行研究についてフォローした.さらに,「家計調査」の公表データを用い,文化需要の時系列特性の分析も行い,景気変動と文化需要の関連性を明らかにした.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

学生調査のデータ整備に関しては,直近の調査のデータ入力を完全に終えることはできなかったが,9割程度終了し,平成24年度のはじめには終了する予定である.そして入力と並行して行った部分的なデータの実証分析から,過去の調査結果との比較など,大学生の文化需要の動向と文化需要のより一般的なモデルの作成に対して一定の知見を得ることができた.
また,文化需要に応用可能な消費モデルの先行研究に関する検討を多面的に行うとともに,公表データによる分析を行い,ミクロデータの利用申請のための十分な準備をすることができた.

今後の研究の推進方策

学生調査に関しては,これまでの調査を統一的に分析が可能となるようなデータベースをできるだけ早い段階で完成させ,さらにこれまでの調査を総括し,とりまとめを行う方向性を研究会を通じて議論する.
また文化需要のモデルを推定するための集計方針を明らかにし,必要なミクロデータの申請を行う.審査等に時間がかかるなど申請が間に合わない場合は,公表データを用いた分析を行う,あるいはオーダーメード集計なども視野に入れる.

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Lead-lag Relationship between Household Cultural Expenditures and Business Cycles2012

    • 著者名/発表者名
      Masaki Katsuura
    • 雑誌名

      Journal of Cultural Economics

      巻: Vol.36(1) ページ: 49-65

    • DOI

      10.1007/s10824-011-9155-1

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 社会生活基本調査のミクロデークの再集計結果を用いた文化芸術活動の実証的研究-教育と所得水準の効果を中心として-2012

    • 著者名/発表者名
      勝浦正樹
    • 雑誌名

      兵庫県立大学政策科学研究叢書LXXXVI『文化経済学とコンピュータサイエンス』

      ページ: 79-113

  • [雑誌論文] 需要サイドからみた芸術・文化活動の構造2012

    • 著者名/発表者名
      有馬昌宏
    • 雑誌名

      兵庫県立大学政策科学研究叢書LXXXVI『文化経済学とコンピュータサイエンス』

      ページ: 23-56

  • [雑誌論文] 文章表現の計量比較のための日本語処理プログラムの開発と評価-有島武郎と志賀直哉の文章の言語解析ツールー2012

    • 著者名/発表者名
      古隅弘樹・金城ふみ子
    • 雑誌名

      兵庫県立大学政策科学研究叢書LXXXVI『文化経済学とコンピュータサイエンス』

      ページ: 225-246

  • [雑誌論文] 芸術家調査からみた20年間の日本の音楽家,舞踊家,演劇人の所得分布2012

    • 著者名/発表者名
      周防節雄・松田芳郎・永山貞則
    • 雑誌名

      兵庫県立大学政策科学研究叢書LXXXVI『文化経済学とコンピュータサイエンス』

      ページ: 163-193

  • [雑誌論文] 文化経済学におけるミクロ統計の活用2011

    • 著者名/発表者名
      勝浦正樹・松田芳郎
    • 雑誌名

      文化経済学

      巻: 第8巻第2号 ページ: 1-10

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 芸術家調査から見た20年間の日本の舞台演奏芸術家の所得分析2011

    • 著者名/発表者名
      周防節雄
    • 雑誌名

      文化経済学

      巻: 第8巻第2号 ページ: 11-32

    • 査読あり
  • [学会発表] シミュレーション機材(パター機)による教育実践-高校生に「データの分析」への興味を持たせる-2012

    • 著者名/発表者名
      林宏樹・稲葉太一・荒木孝治・橋本紀子
    • 学会等名
      数学教育学会2012年度春季年会
    • 発表場所
      東京理科大学
    • 年月日
      2012-03-22
  • [学会発表] 学生の芸術文化鑑賞活動の現状-第5回学生調査の10%抽出データ分析から-2011

    • 著者名/発表者名
      福永征世・有馬昌宏
    • 学会等名
      SASユーザー総会
    • 発表場所
      神戸国際会議場
    • 年月日
      2011-07-29
  • [学会発表] 文化芸術活動に向かわせる規定要因の分析2011

    • 著者名/発表者名
      有馬昌宏
    • 学会等名
      文化経済学会<日本>年次大会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2011-07-02
  • [図書] タイ国マイクロデータ利用による教育投資の収益率推定に関する研究2012

    • 著者名/発表者名
      新谷正彦
    • 総ページ数
      267
    • 出版者
      西南学院大学研究叢書

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公開日: 2013-06-26   更新日: 2014-11-04  

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