研究課題/領域番号 |
23330083
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
丸山 幸宏 長崎大学, 経済学部, 教授 (30229629)
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研究分担者 |
福澤 勝彦 長崎大学, 経済学部, 教授 (00208935)
藤田 渉 長崎大学, 経済学部, 教授 (30264196)
山口 純哉 長崎大学, 経済学部, 准教授 (40325692)
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キーワード | 地域経済学 / 地域社会指標 / ネットワーク分析手法 / ネットワークDEA |
研究概要 |
本研究においては、現在、多くの自治体により公表されている地域の福祉指標や社会指標の問題点、すなわち、(I)「指標の総合化」を行わず優先度の表示は恣意的に示されること、(II).目標体系内の重複や相互作用に関心を払わないこと、(III)一つの尺度で比較が不可能であること、(IV)規範的な目標や政策課題を明らかにできないこと、などに着目し、近年急速にその理論的発展および応用分野の拡大が注目されている、数理科学的なネットワーク分析手法(ネットワーク包絡分析法:Network Data Envelopment Analysis)を導入することにより、地域福祉指標・社会指標の構築に全く新しい概念・手法を導入することを目的とする。 研究計画・方法の概要は、(1)福祉指標・社会指標作成のための基礎データの洗い出し、(2)地域の各主体(住民、産業、民間サービス(営利・非営利)事業、公共サービス事業、周辺環境等)をノード化したネットワーク構造のモデル化、(3)実態調査をもとにするベンチマーク用参照モデルの探索およびキャリブレーション、(4)ネットワークDEA分析による効率化比較実験、(5)政策課題抽出手法の一般化、(6)福祉指標・社会指標作成のための汎用ツール開発、という一連のネットワークDEAを用いた「指標の総合化」に関する研究と、並行して行われる、現在も急速に発展を遂げつつあるネットワークDEA分析手法の当該対象への適用についての「理論的・手法的開発」の研究、および、「実態調査」に分かれるが、いずれも相互に関連を持つものである。 平成23年度においては、上記の研究計画・方法の概要の「指標の総合化」に関する研究の内、q)福祉指標・社会指標作成のための基礎データの洗い出し、および「理論的・手法的開発」の研究に関する理論的予備研究を集中的に行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「指標の総合化」の研究の内、福祉指標・社会指標作成のための基礎データめ洗い出しに関してほぼ順調に行っており、ネットワークDEA分析手法についての文献調査および研究打ち合わせを数回にわたり行っており、理論的・手法的開発の研究に関する理論的予備研究についてもほぼ順調に進展していると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
(1)基礎データの洗い出し、ネットワークモデルの構築実験:各層の基礎データの収集を続け、ネットワークモデルのノードとなる主体、およびそれへのインプット、アウトプットを整理する。 (2)ネットワークDEAをはじめとする数理計画的分析手法の研究引き続いて研究サーベイを行う。 (3)現実の地域実態調査準備とモデル化対象を抽出する。
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