研究課題
平成26年度の研究成果は以下のとおりである。(1)市場構造と環境規制:環境規制の有効性の観点から、市場構造と規制の関係を明らかにすることは重要である。非対称的な寡占競争の一般的なモデルにおいて比較静学を行う際に有用な性質を明らかにした。この性質は環境規制の経済分析にも応用可能である。さらに規制とは異なるものの、寡占産業に対する戦略的な投資補助金の効果について、非対称的な寡占競争の一般的なモデルを用いて分析し、競争する企業数の変化が政策の符号を逆転させる可能性を示した。(2)食料・食品関連規制:食料や食品などが関連する規制として、広告規制について引き続き研究を進めた。まず、垂直的製品差別化の下での品質規制と広告との関係を明らかにし、そのうえで規制の効果を明らかにした。また、企業の発信する情報が誤情報であることの立証責任を政府(規制官庁)が負う場合と、事業者が負う場合とで、誤情報の量が異なるかどうかを明らかにした。(3)総量規制:譲渡可能な漁獲割当(ITQ)について、効率性についての論文を発行し、さらに漁業者の合理性についてのデータの分析を進め、論文の形にまとめた。(4)環境と生産性:環境規制との関連で重要な生産性や人々の行動について、研究を発展させた。具体的には(i)資源利用と生産性を各国制度を加味して分析を行い、(ii)環境を考慮した効率性分析の手法を開発し、計量モデルに応用可能にし、(iii)人々の意思決定がどのようにイベントにより変わるかの分析をした。これらの結果は、環境規制の効果へ応用可能な重要なものである。(5)距離の価格・質:輸送から発生する環境負荷が一定の注目を集めており、「距離」が市場構造や貿易構造に与える影響について研究を進めた。これも、環境規制の効果への応用が可能な重要な成果である。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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