研究課題/領域番号 |
23330094
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
若林 緑 東北大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (60364022)
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研究分担者 |
暮石 渉 国立社会保障・人口問題研究所, 社会保障基礎理論研究部, 第三室長 (00509341)
MCKENZIE Colin 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (10220980)
関田 静香 京都産業大学, 経済学部, 助教 (30583067)
坂田 圭 立命館大学, 経済学部, 准教授 (60346137)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 経済政策 / 結婚 / 老後 / 貯蓄 / 認知機能 |
研究概要 |
本年度は、暮石渉氏(国立社会保障・人口問題研究所)と若林緑氏(東北大学)が、1)未婚女性と予備的貯蓄との関係を分析し、2)双曲割引者が、配偶者に家計管理を任せることで、実際の貯蓄額が目標額に近づくのかを分析し、3)主観的な所得の予想を使った恒常所得仮説の検証を行った。また、坂田圭氏(立命館大学)とC. R. McKenzie氏(慶応義塾大学)は、1)成人した子との同居が親の満足度に与える影響、2)税制が出産・結婚のタイミングに与える影響、3)仕事で必要とされる技能が、退職後の認知機能に与える影響を分析し、3)についてはさらに、退職の定義による頑健性のチェックを行った。そして、関田静香氏(京都産業大学)は、1)公的年金制度改正が家計の老後不安に与える影響、2)貯蓄計画を立てることが過剰負債確率に与える影響を分析している。 具体的な活動内容としては、まず、立命館大学にて研究会を実施し、各自、研究論文を報告し、活発に議論を行った。その際、殷亭氏(独立行政法人経済産業研究所)・梶谷真也氏(明星大学)・玉田桂子氏(福岡大学)から多くのコメントを頂戴した。 また、暮石氏・若林氏が、Population Association of Americaの年次大会(アメリカ)・公共経済学セミナー(慶応義塾大学)・理論・計量経済学セミナー(大阪府立大学)にて、坂田氏が、Modelling and Simulation Society of Australia and New Zealand(オーストラリア)・日本経済学会秋季大会(富山大学)にて、マッケンジー氏が、European Society of Population Economics Conference(デンマーク)・Asian Meeting of the Econometric Society(シンガポール)にて、それぞれ研究発表を行った。 そして、これまでに頂いたコメントをもとに論文の改訂を行い、海外査読付き雑誌に掲載済み、もしくは、投稿し改訂要求中、もしくは、投稿中の段階であり、本研究課題の進捗状況は良好といえる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に記載した「研究の目的」に基づき、様々な学会・ワークショップで発表を行い、国内外に情報を発信している。その都度、新しい知見・コメントを得、それを基に論文を改訂している。 暮石氏と若林氏による未婚女性と予備的貯蓄との関係を分析した論文は、海外査読付き雑誌 Review of Economics of the Householdにアクセプトされた。 また、坂田氏とMcKenzie氏による成人した子との同居が親の満足度に与える影響を分析した論文は、現在校正中であり、まもなく再投稿する。また、税制が、出産・結婚のタイミングに与える影響について分析した論文は、内生性を考慮し、大幅改訂中である。さらに、仕事で必要とされる技能が、退職後の認知機能に与える影響を分析した論文は、明星大学経済学研究科・経済学部ディスカッション・ペーパーで公表されており、退職の定義による頑健性のチェックを行った論文は、MODSIM2013, 20th International Congress on Modelling and Simulationに掲載されている。 そして、関田氏による公的年金制度改正が、家計の老後不安に与える影響について分析した論文は、国内査読付き雑誌に条件付きアクセプトをもらっている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度着手した研究テーマについて、これまでに頂いたコメントをもとに、論文の改訂を行い、さらに、国内外の学会・研究会で発表する。そして、学術雑誌に投稿、または、改訂要求のあったものについては再投稿する。坂田氏・マッケンジー氏については新たに、少子高齢化問題に関する研究にも着手しており、ドラフトの執筆も終了しているので、国内外の学会に投稿する手続きを進めている。
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