研究課題
本年度注力した研究はOECDのValue Added Tradeのデータの解析である。このデータは国際産業連関表をもとに実際の貿易額のうちどれだけが輸出国のValue Addedであるかを計算したもので、例えば中国が米国へのIPHONEの輸出で一台あたり800ドルを稼いでいるというのは、従来の表面的な捉え方で、中国がこの輸出で自国の所得になっている部分、すなわちValue Addedを正確に把握する必要がある。実際は40ドルにも満たないことが分かっている。このデータを更にGVCへの参加率、後方参加率、前方参加率に分けて整理すると、アジア諸国がこのいずれにおいても上位を独占していること、すなわち、アジアに於いて、最もGVCが発達していることが実証できた。さらに産業のアップグレード、また空洞化の事例の収集をし、主に日本経済新聞に掲載された最近5年ほどの記事の精査を行なった。こうした事例研究は、次のサプライチェーンの動態計量分析の解釈に役立つものである。UNCOMTRADEデータからは貿易品目の細目について、相手先別輸出入データを手に入れることができる。サプライチェーンはパーツを輸入し、更に高付加価値のパーツや完成品を輸出する。こうした動態を、あらかじめ一つの完成製品に必要なパーツを特定し、その貿易実態を明らかにすべく計量分析を行った。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Asian Economic Papers
巻: Vol. 14, No. 1 ページ: 175-177