研究課題/領域番号 |
23330098
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
鵜飼 康東 関西大学, 総合情報学部, 教授 (70098101)
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研究分担者 |
村田 忠彦 関西大学, 総合情報学部, 教授 (30296082)
千田 亮吉 明治大学, 商学部, 教授 (80179944)
渡辺 真治 大阪府立大学, 人間社会学部, 准教授 (80254449)
溜川 健一 明治大学, 商学部, 研究員 (80409424)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 政策シミュレーション / 情報通信技術 / マクロ経済学 / 計量経済学 / 日本経済 |
研究概要 |
本研究の目的はクラウドコンピューティングの経済的影響を動学的確率的一般均衡モデル(DSGE Model)によって計測することである。第1段階として、われわれはDSGEモデルを構成する10種類のパラメータに実証的基礎を与える作業を実施した。まず、英語論文Ukai (2013)は東京証券取引所上場企業を対象に実施した3次にわたる調査の結果、上場企業のうち10%だけが純粋な意味でのクラウドコンピューティング(通称・パブリッククラウド)を実施していることを発見した。次に、日本語論文鵜飼・稲垣(2014)は回答企業の財務諸表の統計学的検討を行った結果、企業内クラウドコンピューティングとパブリッククラウドを併用している企業の資産中央値は非クラウド化企業の資産中央値よりも大きいことを発見した。同時に、従業員数で調整を行うとこの格差が縮小することも発見した。 さらに減価償却増分と利益剰余金の間の正の偏回帰係数がクラウド化によって低下することを、発見した。第2段階として、われわれはこれらの実証結果を10種類のパラメターに組み込んだDSGEモデルを構築した。このモデルでは生産部門はクラウド化された部門とクラウド化されていない部門に分割されている。当該の英語論文Tamegawa,Ukai and Chida (2014)におけるシミュレーションの結果、10%のクラウド化率により日本経済の全要素生産性は10%上昇したことが推計された。さらに全てのインパルスレスポンス関数を検討した結果、 当初はクラウド化によって日本経済の全要素生産性が上昇しても、最終的には均斉成長経路に復帰することを発見した。第3段階として当該推計について経済協力開発機構、台湾政治大学院大学、シンガポール国立大学の経済学者と討論を重ねた結果「アジアと欧米ではクラウド化の経済的影響が異なる」という問題意識が参加者間で共有された。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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