研究課題
本研究はの目的は、国際市場を想定し、企業の革新活動と市場競争、さらにその結果もたらされる市場構造の相互作用を動態的に捉え、理論的・実証的にそのメカニズムを解明することである。即ち、1、国際寡占市場で競争する企業の研究開発、知的財産管理を含む戦略的革新活動が競争を通じて市場構造及び経済厚生に与える影響を解明し、2、逆に、外国為替、地勢、環境、政治などのリスクとそれによる市場構造の変化が企業の革新活動と競争に与える影響を解明し、革新と市場構造の動態的相互作用メカニズムを分析することである。これらの考察は、国内市場縮小と経済のグローバル化に直面し、国際市場で革新を実施し競争しなければならない日本産業にとって重要かつ緊要な課題である。実施した研究として、理論班は、寡占モデルの考察を通して、市場構造と革新活動の相互作用を企業行動と経済厚生の両面から分析してきたが、昨年度までに完了した論文をその後もらった意見や追加の研究を基に改善し、より完全なものにするよう努力し、その改善版を、そしてまた新たな成果を学会、研究会、本研究グループが開催した国際会議などで発表し、また雑誌、ディスカッション・ペーパーなどに論文として発表した。他方、実証班は、既存の資料のみならず、新たに作成した大量の資料を使って、輸出世界シェア、海外活動比率、市場構造の流動性などの決定要因とインパクト、海外活動が企業の研究所の立地に与える影響、ファイナンスと海外活動の関係などについて計量分析を試み、その成果を上記のような機会で報告し、また論文(和文、英文)としても発表した。これらの計量分析は我が国では最初で、大規模な計量分析である。両班とも、国際会議に出席した海外研究者との共同研究を含めて、本研究終了後も引き続き自主的にこの課題に取り組むことを決めている。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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