金融危機後の研究で報告されている「資産間の相関関係の高まり」という必ずしもリスク・リターン分析だけでは説明できない現象を2重マルコフ転換モデルによって捕捉することができた。この転換点は金融危機以前の2003年であったこと、景気変動の影響を排除したうえで(投資家行動の結果としての)相関関係の高まりを検出できたことが成果である。またクレジットデフォルトスワップ(CDS)市場における流動性の一つの目安であるbid-ask spreadの変化を、自己励起モデルを利用して市場参加者の行動から分析した。さらに投資家の資金を運用するファンドマネージャの最適行動原理についても分析を行った。
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