研究課題/領域番号 |
23330111
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
寺村 泰 静岡大学, 人文学部, 教授 (20197809)
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研究分担者 |
山崎 志郎 首都大学東京, 都市教養学部, 教授 (10202376)
西野 肇 静岡大学, 教育学部, 准教授 (20377708)
日向 祥子 静岡大学, 人文学部, 准教授 (20515415)
小野塚 知二 東京大学, 経済学研究科, 教授 (40194609)
松田 紀子 静岡大学, 国際交流センター, 准教授 (80432201)
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キーワード | 経済史 / 業界団体 / 公益法人 / 産業史 / 歴史資料 / 経営史 / 資料保存 / 国際比較 |
研究概要 |
本研究は、業界団体等の経済関係公益法人に対する資料保存状況調査と資料発掘により、業界団体が戦後日本において果たしてきた機能を解明し、条件が異なる業種ごとに市場のコーディネートが多様な形態で行われてきたことを一次資料に基づき実証するとともに、国際比較を踏まえて日本における市場のコーディネーションに関する多様性の中に潜在する共通的特質を解明しようとするものである。 平成23年度は、第一に、各省庁の特定民法法人リストから経済関係省庁所管(主として本省所管)の公益法人約2100団体に対して保存資料に関するアンケート調査を郵送で行った。アンケートの集計および分析、報告書の作成は当初の予定通り平成24年度に行い、秋の学会で報告する予定である。アンケート項目を23年12月に選定し、送付先リストの作成を謝金を利用して行った。回収は24年2月末締め切りとして既に終わっており、回収数は500団体を超えている。 第二に、第一回の海外調査を西洋経済史専攻の小野塚、松田両名が行った。対象国は、イギリスおよびフランスであり、両国における業界団体等の準公共団体における一時資料保存体制および保存に対する意識に関して調査を行った。 第三に、個別調査を行った。寺村は、陶磁器産業関係諸団体保存資料に関して、名古屋において調査した。日向は、三菱経済研究所の資料保存体制に関してヒヤリングを含む調査を行った。 第四に、研究会のホームページを立ち上げ、収集情報の公開に向けた体制を構築した。 この他、研究会の進め方に関する打ち合わせを行った。また、重要な歴史的資料について収集を行った。以上のように、「研究目的」に沿って、交付申請書に記載した「研究実施計画」で掲げた研究活動をほぼ予定通り遂行することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アンケートに関しては既に23年度中に集計作業に入っており、その点では、当初の計画以上に進展しているといえるが、業界団体に直接出向いて行う個別調査は、実施期間が年度末の短い期間であったため若干不十分であった。ホームページの立ち上げも済んでおり、海外調査も予定通り実施することができた。総合的には、おおむね順調に進展していると判断される。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は、既に収集した業界団体アンケートの集計、分析および報告書の作成をおこない、この成果を、秋に開催される経済史関係の学会で報告し、広く公開する。また、夏期を中心に個別調査を実施するとともに研究会を2ヶ月に1回程度行って、収集資料を利用した研究を深化させる。所属大学の勤務地が離れているため適宜合宿を行って集中的に研究を行う。 また、保存すべき資料の出現に対して適切な受け皿を探せるように全国的な研究者・研究機関間で情報の共有を図る活動にも研究会として着手する。ホームページの内容の充実に努めて、業界団体保存資料の利用に資するものとする。
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