研究課題/領域番号 |
23330111
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
寺村 泰 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (20197809)
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研究分担者 |
山崎 志郎 首都大学東京, 社会(科)学研究科, 教授 (10202376)
西野 肇 静岡大学, 教育学部, 准教授 (20377708)
河村 祥子 静岡大学, 人文社会科学部, 准教授 (20515415)
小野塚 知二 東京大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (40194609)
松田 紀子 静岡大学, 国際交流センター, 教授 (80432201)
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研究期間 (年度) |
2011-11-18 – 2015-03-31
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キーワード | 業界団体 / 経済史 / 公益法人 / 経営史 |
研究概要 |
本研究の目的は、業界団体等の経済関係公益法人に対する資料保存状況調査と資料発掘により、業界団体が戦後日本において果たしてきた機能を解明し、条件が異なる業種毎に市場のコーディネートが多様な形態で行われてきたことを一次資料に基づき実証すると共に、国際比較を踏まえて日本における市場のコーディネーションに関する多様性の中に潜在する共通的特質を解明しようとするものである。 平成25年度においては、前年度に作成した『業界団体等公益法人保存資料調査アンケート報告書』を政治経済学・経済史学会秋期全国大会(下関市立大学開催)にて配布したほか、関連諸団体に追加配布した。 また、平成25年度においては平成23年度に引き続いて第2回目の海外調査を小野塚知二および松田紀子が行ってそれぞれ著書、論文等に成果をまとめた。 国内においては、寺村が引き続き陶磁器業界関係の資料発掘調査に従事した。陶磁器業界団体は名古屋を中心として美濃、瀬戸地方に主要団体が存在し、陶磁器業界の衰退にともなって歴史資料の保存体制の構築が急務となっている。西野は家電業会資料により論文をまとめた。河村(日向)は、引き続き三菱史料館保存資料を渉猟分析し三菱合資会社に関して学会報告を行ったほか三菱史料館の事例を通じて企業グループのアーカイブに関する考察を論文としてまとめた(投稿中)。 このほか、関連文献の追加収集、次年度に予定している業界団体追加アンケート調査のための名簿整理、研究会ホームページの整備をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、業界団体に関する保存資料の調査及び研究を柱としており、共同での企業に対するアンケート調査以外は、各自の研究対象に対して個別に調査を行うものである。本年度は、研究分担者それぞれが対象団体等に精力的に調査を行い、その成果を、学会報告、著書、論文等にまとめている。その点では順調に成果が上がっているといえる。ただし、本年度予定していた、業界団体アンケートの追加調査が、準備はしたものの実施は次年度に送らざるを得なくなったこと、学会でのパネル報告の予定が報告書の配布にとどまったことなどやや不十分な点もあったが、おおむね順調に研究成果があがっていると言える。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、研究期間の最終年度に当たるため研究成果をまとめ、その成果を発信することに力点を置く。 第一に、平成24年度にまとめた業界団体アンケート調査(『業界団体等公益法人保存資料調査アンケート結果報告書』)のフォローアップ調査を行う。また、特に資料の保存状態に応じて同一業種、同一団体に集中的な調査、資料収集を行う。 第二に、夏休みを利用して合宿を行い、これまでの調査及びそれをもとにした研究成果を持ち寄り書籍もしくは研究報告書形式に成果をまとめる。 第三に、関連学会において共同で成果報告を行う。 第四に、業界団体資料の保存のための全国的なネットワークの組織化の準備を行い、提言をまとめる。このほか、文献の追加収集、ホームページの充実、収集資料の整理とデータベース化を行う。
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