研究課題/領域番号 |
23330112
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中西 聡 名古屋大学, 経済学研究科, 教授 (20251457)
|
研究分担者 |
山口 由等 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (90326009)
北澤 満 九州大学, 経済学研究院, 准教授 (10362261)
吉川 卓治 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (50230694)
西澤 泰彦 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (80242915)
溝口 常俊 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (50144100)
|
キーワード | 産業化 / 生活環境 / 近現代日本 / 都市 / 農村 |
研究概要 |
本年度の第1の課題の産業化に関する勉強会については、日本経済史分野の最新のシリーズと日本経営史分野の最新のシリーズの読書会を年間5回行い、外部からコメンターを招くなどして進めた。それにより、産業化と工業化の本質的相違についてなど、産業化の考え方について議論を深めることができた。 第2の課題の愛知県半田の醸造家の共同調査は、知多班を中心に年間4回の調査を実施するとともに、研究も並行して進め、共同研究の成果を平成24年度の学会全国大会のパネル・ディスカッションで報告する予定となっている。そこでは、醸造家の経営展開が地域経済に与えた影響とそのなかでの生活環境の変容が議論の焦点になると考えられる。 第3の課題の愛知県一宮の呉服太物商および織物業産地の共同調査は、尾西班を中心に尾西毛織物業における製造業者と加工業者の史料群の調査を合わせて年間4回実施した。また、名古屋大学所蔵の愛知県一宮の呉服太物商の史料の分析に着手した。それにより愛知県一宮の毛織物業の概要は把握でき、来年度は史料分析を本格的に進めたいと考えている。 第4の課題の名古屋市域および他地域の文献・物体・聞き取り調査は、愛知県域と比較するため長野県域の調査を行い、旧家に残された古文書・建物の調査およびご当主からの聞き取り調査など、学際的な歴史研究の方法を試みつつ、長野県域における養蚕・製糸業と生活環境の関連を検討した。 第5の課題の研究報告会は年間3回実施して、各班の研究進捗状況を研究組織全体で把握するとともに、東京でも研究報告会を開催して、問題関心を共有できる外部の研究者と交流を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
知多班、尾西班、名古屋班ともに共同調査を定期的に進め、特に知多班は、平成24年度の学会大会でのパネル・ディスカッション報告が決まるまで研究が進展した。また尾西班も、尾西毛織物業者の新しい史料群にアプローチすることができたため。
|
今後の研究の推進方策 |
知多班は、学会大会でのパネル・ディスカッション報告をもとに、新たな研究成果を加えて、最終的には共著書の作成を目指したい。尾西班は、新たな史料群を見つけることができたため、それらの調査・分析を進めて、研究期間中に、学会大会報告に応募して共同研究成果を発表する。そして名古屋班は、名古屋市域の主要産業であった陶磁器業の予備調査を行うとともに、長野県域の共同調査も継続して、東海地域との比較研究を進める。
|