研究課題/領域番号 |
23330114
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
井奥 成彦 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (60184371)
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研究分担者 |
谷本 雅之 東京大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (10197535)
武田 晴人 東京大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (20126113)
吉田 ゆり子 東京外国語大学, 総合国際学研究院, 教授 (50196888)
小川 幸代 長岡大学, 経済経営学部, 教授 (90320879)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 19世紀 / 畿内 / 豪農 / 木津川 / 金融 / 流通 / 領主 / 八木家 |
研究概要 |
平成24年度は、平成24年8月28日から31日までと、平成25年3月26日から29日までの二度にわたり、現地での合宿史料調査を行った。また平成24年5月19日、7月21日、10月6日、12月28日と四度にわたり、東京で研究会を行った。 史料調査では、精華町、木津川市旧山城町、同市旧木津町、同市旧加茂町を訪れ、前年度に引き続き森島国男家、松田家、安宅家、木津大路村、旧木津村、梶田家、吉岡家、松岡家などの史料を閲覧及び写真撮影した。そしてこれまでの史料調査に基づき、研究会においては、中川博勝「明治初期田丸屋の茶販売―登金の分析を中心に―」、吉田ゆり子「郷士・無足人の由緒形成」、冨善一敏「嘉永年間祝園村村方騒動について」、島津良子「武士身分と農民身分の間-旗本天野氏上方代官森島家の文書から-」、菅野則子「吉岡家文書の検討」、小川幸代「八木家の系図」といった報告が行われ、着実に成果が上がってきている。 平成23年度あたりから、当該地域の中核的豪農としての八木家(堺屋庄五郎家)の存在が浮かび上がってきていたが、24年度の調査及び研究報告から、同家のそういった性格は、ますます確かなものとなってきたように思われる。また、大坂・京都などの都市金融業者と当該地の豪農との関係、一方で領主と当該地豪農の関係に関する研究も前進を見せた。旗本天野氏が領内の豪農森島氏に経済的に依存する姿が明らかにされ、また藤堂藩飛地領では、藩の農村への強制貸付などの実態が明らかにされた。豪農を軸として、これらの問題をどう体系づけるかが、今後の課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度交付申請書に記した通り、年度中、8月・3月の二度にわたる現地での3泊4日の合宿史料調査と、回数は予定よりやや少なかったが5月・7月・10月・12月の四度にわたる東京での研究会を果たすことができた。 「研究実績の概要」でも記した通り、精華町・木津川市旧山城町・同市旧木津町・同市旧加茂町における史料収集は、大量に史料を写真撮影することができ、順調に進んでいると言えるし、四度にわたる研究会で研究報告も次々なされ、史料分析面でも順調に成果が得られたと言える。総じて我々が望んでいた程度の成果は得られたと言えよう。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度も、夏・春二度にわたる現地での合宿史料調査と、四度にわたる東京での研究会を行うつもりである。また、現地に調査に行った際に、現地で調査・研究の進捗状況に関する報告を行い、成果を地元へ還元することも考えている。 史料調査先は、精華町・木津川市旧山城町・同市旧木津町・同市旧加茂町のかつての豪農諸家が中心で、従来と大きな変わりはなく、史料収集方法も、史料の写真撮影による収集で、従来と大きな変更はない。総じてこれまでの継続作業的色彩が強い。 そして、平成25年度は3年計画の最終年となるので、論文集作成へ向け、各自研究のまとめに入る。
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