研究課題
第一に、日本製鉄業におけるトップ企業に対する事例研究によって,経営トップによる組織改革によって権限を委譲された経営ミドル層が,社内企業家としてルーティン変更を経営目的とし、キャリアを通じて広く深いノウハウを形成した技術者の支援によって目的を達成したプロセスを明らかにし、ダイナミック・ケイパビリティー理論に対する考察を論文発表した。第二に、日本の大学のバイオ系研究室に対する質問票調査によって、研究室のヘッドが研究テーマの選択等の研究計画と仮説の設定等、上流の活動を行い、学生等のメンバーは実験等の下流を担当するという通説に対して、少なからずの研究室において、前者が研究の下流に、また、後者が上流に関与していることを見出した。次に、このようなタスクにおける役割分担が異なる研究環境においてどのように研究室の科学的生産性に影響を与えているか、モデル分析し、その結果、基礎研究分野においては所与の分業体制にこだわらない柔軟な組織対応が生産性向上のために有効であり、不確実性が高い同分野においては探索的アプローチが適していること、対照的に、応用研究分野においては所与の組織構造に基づくより硬直的な組織対応が有効であり、不確実性が相対的に低い同分野においては利益獲得のためのアプローチが適していることを明らかにした。本研究は、このような分析結果に基づき、大学研究室においても企業組織と同様に,外部環境に対応してその組織形態とタスクの分担を柔軟に対応していることを示し、研究組織による固有の環境適応パターンの解明から,組織の環境変化に対するダイナミック・ケイパビリティの発現に対する理解の深化に貢献し、加えて、企業組織におけるダイナミック・ケイパビリティに関する含意を明らかにした。分析結果は広く査読付き国際学会で発表済みであり、現在、論文を国際学術雑誌に投稿中である
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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研究技術計画
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一橋ビジネスレビュー
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