研究課題/領域番号 |
23330123
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
和田 一夫 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (20121478)
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研究分担者 |
松島 茂 東京理科大学, イノベーション研究科, 教授 (00339508)
具 承桓 京都産業大学, 経済学部, 准教授 (20367949)
岸本 太一 敬愛大学, 経済学部, 准教授 (70508556)
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キーワード | 物流 / ロジスティックス / サプラ / グルーバル化 / 生産 / 開発 / 産業集積 / トヨタ |
研究概要 |
本年度は、2万アイテムに及ぶ日用雑貨、紙・ベビー用品、医療衛生用品等の卸売事業を展開している中央物産の久喜物流センターを1月に、また3月にはトヨタ自動車の上郷物流センターを見学した。前者は物流やロジスティックスの効率化に情報システムがどのような貢献をしているのかを、後者は日本企業のグローバル化に物流・ロジスティックスの効率化の影響を日本側での取り組みを理解するために行った。こうした準備の上で、インドネシアでの日本企業のグルーバル化に物流・ロジスティックスやその施設がどのような影響を与えているかを、現地のトヨタ自動車、豊田鉄工やそのサプライヤーなどで見学した。また各分担研究者は個別に研究を進めた。和田は、物流・生産システムに対する情報システムの意義を検討するために、トヨタ自動車のいわゆる「かんばん方式」を再検討する準備作業に携わった。松島はこれまでの研究であまり明らかにされることのなかった物流の大きな柱である調達について、かつての担当者にインタビューをして、事実関係を明らかにする基礎作業に携わり、それをまとめる作業に着手しているとともに、国内のサプライヤーでインタビューを重ねている。具は海外研修中を利用して、韓国の企業における開発・物流について、将来の日本企業を研究する際の比較基準を求めようとした。岸本は、日本国内のサプライヤーにおける物流の意義について考える準備作業として、長野県諏訪地域(精密機械産業中心)および静岡県中遠・西遠地域(輸送用機械産業中心)といった産業集積地のサプライヤーについて、インタビューを行ってきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本企業のグルーバル化や産業集積、サプライヤー、あるいは開発と生産に関しては数多くの研究が積み重ねられているにもかかわらず、具体的に製品や部品・部材・資材が地理的に動くこと、さらにそれらの移動を保障する情報システムを意図的に視野に取り入れた研究は少ない。分担者はこれまでの各自の研究を展開するうえで、物流・ロジスティックス関連の施設を見学し、多くの知見を得た。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度のインドネシア調査から得られた知見を深化させるためにも、同じ東南アジアの一カ国を対象に物流関連を見学したいと考えている。対象は目下のところタイを考えているが、受入企業との交渉次第によって変更もありうる。和田と松島はこれまでの研究を暫定的にでもあれ、とりまとめて、パリで今年に開催される日欧経営史国際会議で発表する予定である。具と岸本は、これまでの研究を推進しながら、物流・ロジスティックスを視野にいれるための模索する。さらに、分担研究者間の討論を活発化させていきたい。
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