1960年から2012年までの上場企業5077社を対象に259,127ケースで構成される監査業務のデータベースを独自に構築した.その結果,第一に,日本の監査業界の変化が5つの時代区分によって特徴付けられ,1985年以降は合併による規模拡大とその結果として寡占化の進展で特徴付けられること.第二に法人合併に関わらず,監査人・監査チームとクライアント企業との長期的で継続的な取引関係が見られ,その関係は2007年以降大きく変化していること.第三に監査報酬はクライアント企業要因のみならず,監査人側の要因によっても規定されることが明らかになった.
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