研究概要 |
サービス・イノベーションへのゲーミング・シミュレーションを用いた接近として2つの方向からアプローチした.(1)人間が行うビジネスゲームの挙動と,コンピュータエージェントによる挙動を比較し,いかなる状況でいかなる意思決定ルールが優越するかという分析のために,従来,人間プレーヤだけで行われていたビジネスゲームに,コンピュータエージェントを混在させるビジネスゲーム4種を試作し,人間プレーヤ6チーム(18人)と競争させる実証実験を行い,コンピュータエージェントが常に上位に入るという結果を得た.これにより本研究の基本アプローチを実行する基礎が確立した.また,ビジネスゲーム実施環境および開発環境の拡充のために,学内の正式な組織として「ビジネスシミュレーション研究拠点」を設置した.これにより,今後の研究活動が促進されることが期待できる.(2)事例の収集として,内外の大学・研究機関等を訪問調査した.秋田大学では,ゲーミング・シミュレーションに関する研究と実践について説明を受け,特に「教材のすごろくゲーミフィケーション」をもとに,イノベーション戦略策定方法論のゲーミフィケーションを展開していく基礎とすることができた.また,サービス・イノベーションの事例収集として,ひとつは金型製造のeマーケットプレイスであるNCネットワークのイノベーション戦略を歴史的に分析した.もうひとつの事例はドイツのフラウンホーファー研究所でのマーケティング・イノベーション方法論と,韓国の大学でのシステム工学方法論をイノベーション方法論に拡大している手法について情報収集と意見交換を行い,今後の研究発展の基礎とした.
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今後の研究の推進方策 |
人間・エージェント混在シミュレーションを公開し,内外の大学と共同実験を展開する.また,日本シミュレーション&ゲーミング学会,計測自動制御学会,横幹連合,東京工業大学,早稲田大学等と連携して研究領域の深耕をはかる.
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