研究課題/領域番号 |
23330128
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
関口 倫紀 大阪大学, 経済学研究科, 准教授 (20373110)
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研究分担者 |
竹内 規彦 青山学院大学, 経営学部, 准教授 (40387569)
竹内 倫和 学習院大学, 経済学部, 准教授 (20418982)
ベーベンロート ラルフ 神戸大学, 経済経営研究所, 准教授 (80403228)
中村 志保 立命館大学, 経営学部, 准教授 (20389191)
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キーワード | 国際比較 / グローバル化 / 人的資源管理 / 人事部門 / 歴史分析 |
研究概要 |
本研究課題は、日本企業の人的資源管理および人事部門の歴史的発展段階の分析、および欧米のグローバル企業や新興国発グローバル企業との比較分析を行うことによって、日本企業のグローバル化にともなう人事部門の役割と進化の方向性を明らかにすることを目的としている。 研究初年度となった平成23年度は、人事部門の歴史的発展段階の分析に必要となる基本的文献の渉猟およびデータの取得・整理を行うとともに、日本企業のグローバル化に絡む人事部門の役割、および国際比較的な視点からのサーベイやインタビュー調査などを行った。 人事部門の歴史的発展段階の分析については、基本的文献を収集するのみならず、複数のデータ・ソースから時系列のアーカイバルデータを作成し、企業の人的資源の趨勢を把握できるようなデータセットを構築しつつある。実証調査に関しては、日本企業のグローバル化と入事部門の役割についての重要課題となっている英語公用語化の問題について、複数回のオンラインサーベイを実施することによって今後の分析に利用するためのデータの蓄積を行った。また、次年度における大規模なサーベイの実施に先立ち、グローバル化における人事部門の役割を把握・測定するための尺度開発も行った。 その他、経営のグローバル化と人事管理に関わる領域として、国際的な合併・買収に絡む人的資源問題、アジアや欧州に進出している日本企業の人事管理に関する現地雇用慣行との比較分析などを、インタビュー調査や公開データを利用した分析を中心に行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
まず、本研究課題の初期もしくは中間的な成果にかかわるものではあるが、複数の学会発表や論文掲載が実現した。また、実証研究に関しては、欧州やアジアなどの地域別の情報収集、聞き取り調査などを実施し、今後の詳細な分析の礎となるデータを獲得している。さらに、次年度以降の本格的な大規模調査に先立ち、今年度すでに予備的な実証調査を複数回実施することによって今後の本研究の推進に有用なデータを蓄積しつつある。
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今後の研究の推進方策 |
今後についても、計画通り、日本における人事管理・人事部門の歴史的発展段階の分析、および欧米のグローバル企業や新興国発グローバル企業との比較分析を中心に研究を推進していく予定である。ただし、グローバルレベルでの国際比較を目的とする大規模な実証研究の推進にあたっては、取得されるデータの質および量が最も適切となるよう、調査の方略を慎重に検討していく予定である。また、グローバル化における言語の役割や近年活発化している国際的M&Aといった最新のトピックスも、本研究課題の対象となる分析枠組みに積極的に取り入れていくことを予定している。
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