研究課題/領域番号 |
23330129
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
石井 真一 大阪市立大学, 大学院・経営学研究科, 教授 (70315969)
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研究分担者 |
吉村 泰治 帝塚山大学, 経営情報学部, 准教授 (00352542)
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キーワード | 国際経営 / 国際合弁 |
研究概要 |
若手研究B(H20-23)の最終年度に実施予定の研究活動を含め、従来の研究を本研究に発展させるための準備作業をおもにおこなった。具体的には、日米欧亜市場の合弁データベースの構築と、トロイの木馬仮説(THH)の検証を含む国際合弁行動にかんする操作仮説の提示である。 まず、若手研究B(H.20-23)で収集した1987-2005年の日米欧市場の国際合弁データに、米国市場のデータと最新のデータ(2006-2010年)を加えて、データベースの構築を進めた。ただし、国際合弁データの一部の情報については、企業への直接の問い合わせや関係資料の収集を通じても、未だ不明なケースが残っており、現在も追加調査を進めている。あわせて、本研究で新たに構築する日亜合弁のデータベース構築についても検討した。アジア企業については、これまでの研究発表等でTHH的な合弁行動があてはまると指摘された、中国と韓国の企業を中心にとりあげる予定であるが、それ以外のアジア地域の国際合弁の分析についても検討している。 また、親会社属性間・市場間・合弁組織属性間の国際合弁行動にかんする比較分析を念頭におき、THHの検証を主目的とした操作仮説を検討した。とくに、事例分析や特定の産業・市場に焦点をあてたパイロットスタディも実施し、操作仮説の修正に反映させた。また、一部の事例分析については、学会等で発表した。これらの内容は、今後学術誌等での公表することだけでなく、社会人専門職大学院での教材活用等によって、多くの研究者や実務家からの知見を研究プロセスで反映することも想定している。また、新たに分析する日亜合弁や、国際合弁の組織(役員編成)の分析については、事例分析や特定産業に焦点をあてたパイロットスタディを進めている。これらの作業は、本研究の成果となる全製造業における合弁行動分析の方法や結果においてきわめて重要な意味をもつため、複数年度にまたがって実施する形ではあるが、可能な限り慎重に進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一部のデータについては情報が欠損しているため、追加的な情報収集を継続している。しかし、それ以外のデータ構築・分析および事例分析などは、ほぼ当初の予定どおり進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
古い国際合弁事例をデータベースに含む本研究では、データの一部欠損はやむを得ない面があるが、可能な限り情報収集をおこない、データベースの構築を進める。また、本研究から新たに分析を開始した、日亜合弁や、国際合弁の組織の分析については、当面、事例分析や特定産業に焦点をあてたパイロットスタディを慎重に実施する。とくに新たな変数や分析対象を導入する際は、研究初期の準備作業や試行錯誤が、その後の研究成果を大きく左右するからである。なお、これによりデータ構築が一部で遅れる場合も、従来からの市場別のデータ構築を上記の準備作業と並行して進め、データベースが完成した市場から分析を開始するため、研究全体の進捗ではほぼ問題はない。
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