研究課題/領域番号 |
23330131
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
水野 満 日本大学, 大学院・グローバル・ビジネス研究科, 教授 (40318473)
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研究分担者 |
三和 裕美子 明治大学, 商学部, 教授 (10287881)
オルシニ フィリッブ 日本大学, 大学院・グローバル・ビジネス研究科, 准教授 (70409093)
清水 一 大阪経済大学, 経営情報学部, 講師 (50368841)
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キーワード | コーポレート・ガバナンス / 機関投資家 / フランスのコーポレート・ガバナンス / 企業価値 |
研究概要 |
研究初年度なので、研究目的を達成するための基礎的な研究を行った。研究者は参考文献を読み込み日仏のコーポレート・ガバナンス改革のレビューと日仏におけるコーポレート・ガバナンス改革の歴史と現状、機関投資家とコーポレート・ガバナンスとの関係に関する文献調査を中心に行った分析を行った。研究者の問題意識の共有化を図るため研究会を立ち上げ、23年度中に4回研究会を開催した。この研究会には機関投資家動向を探る目的で、インベスター・ネットワークスとISS(機関投資家の議決権行使助言会社)からも参加してもらい、日本とフランスのガバナンスの改革と課題、フランスの民間団体の作製したフランスのガバナンスの実態調査報告書、我が国における機関投資家の議決権行使状況等に関するプレゼンと意見交換を行った。フランス企業の基礎的なデータ収集も23年度後半から開始した。「トムソン・ロイター」のデータ・ベースを活用して、収集可能なガバナンス項目を2005年度と2010年度の両年度に亘り、収集した。また、ガバナンスのガイドラインを作成しているAFEPとMEDEFの報告書からCAC40とSBF120企業のガバナンス状況を調査した。また、研究成果として三和は「グローバル投資家とコーポレート・ガバナンス」という報告講演を行った。オルシニは大学の紀要に論文を投稿した。 平成24年2月下旬から3月上旬にかけて研究代表者はフランスを訪問し、機関投資家、AFEPとMEDEF、ユーロネクスト・パリ、機関投資家協会であるAFG、INSEAD、パリ大学ならびにリヨンにあるEMLYON(ビジネススクール)を訪問し、フランスのコーポレート・ガバナンス改革と機関投資家の役割について意見交換を行い、書籍・論文から得られる情報・分析を補完することができた。EMLYONには、コーポレート・ガバナンス研究所があり、24年度9月に訪仏するときに「日仏のコーポレート・ガバナンス改革」に関するワークショップを開催することに合意した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日仏のコーポレート・ガバナンス改革に関する基礎的な情報と分析をすることができたこと、フランス企業のガバナンス項目をある程度収集することができたこと、ならびに、訪仏しフランス企業のガバナンスに意見交換を行うとともに本年9月に「日仏のコーポレート・ガバナンス改革」に関するワークショップを開催する見通しになった。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の今後の推進方策については当初計画通りに進めていく計画である。日仏の2005年度と2010年度のコーポレート・ガバナンス項目と財務データを収集し、ガバナンスと企業価値の関係を調査する。機関投資家の投資行動についてはアンケート調査を行い分析する。また、機関投資家のモニタリングと企業価値を高めるための行動の考察とモニタリングが企業価値に与える影響についても先行研究とアンケート調査並びにインタビューを踏まえて、理論的に考察する計画である。
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