研究課題/領域番号 |
23330134
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
長谷川 信次 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (90218446)
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研究分担者 |
竹之内 秀行 上智大学, 経済学部, 教授 (90297177)
田中 悟 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (20207096)
長谷川 礼 大東文化大学, 経営学部, 教授 (10247249)
高橋 意智郎 実践女子大学, 人用社会学部, 准教授 (80407220)
斎藤 泰浩 東京国際大学, 商学部, 准教授 (50296224)
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キーワード | 多国籍企業 / 子会社役割 / 在日外資系企業 / 対内直接投資 / 特許引用 / 子会社間競争 / マトリクス組織 / 地域本社 |
研究概要 |
研究目的 本研究の目的は、ヘテラルキカルな多国籍企業ネットワーク内の一員である在日外資系企業の役割が、親会社や他国の子会社、および日本の事業環境との相互作用の中で、いかにして形成・進化していくのか、そのメカニズムを論理的実証的に解明することにある。 研究方法 本研究は3段階で進められる。第1段階では、先行研究の解釈・検討から探索的データ分析、面接調査を実施し、分析枠組みを構築する。第2段階では、1次・2次データを利用して多変量解析を行う。第3段階では、実証分析から得られた知見を通じて、企業経営や政策上の課題に対して有益な示唆を導く。 なお研究に際しては、子会社役割の獲得・進化メカニズムへの接近法(親会社-子会社間関係、子会社間関係、子会社-受入国間リンケージ)に応じたテーマごとにサブグループ(SG)を形成して進める。 研究成果 在日外資系企業の現状を把握する目的で、在日外資系企業、多国籍企業本社(フランス)、シンガポール子会社において面接調査を実施した。調査結果は、3月に開催した全体研究発表会での報告によりメンバー間で共有され、そこでの討論を通じて各SGの分析枠組みの構築に貢献した。シンガポール調査については、大東文化大学リサーチペーパーとして公開した。 親会社-子会社間関係SGでは、長谷川(礼)・松崎を中心に、文献調査とフィールド調査の結果から、多国籍企業ネットワーク内の力学に変化が生じていることを,またオルシニは子会社トップマネージャーの属性が影響を及ぼす可能性を発見した。子会社間研究SGでは、竹之内(秀)・齋藤・高橋らにより渉猟的な文献調査・整理が行われ、本研究に関わる考察を加えた後に、近く論文として発表する予定である。子会社-受入国間リンケージSGでは、田中・長谷川(信)が日本の特許引用データを用いたスピルオーバー効果測定につき、サンプルを絞った上でテスト分析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概要欄に記載したとおり、研究方法の第1段階として予定していた、先行研究レビュー、探索的データ分析、国内外での多国籍企業本社・子会社に対する面談調査といった課題はほぼ達せられた。
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今後の研究の推進方策 |
概要欄に記載したとおり、研究方法の第2段階に着手する。利用可能な2次データの検討整理、および1次データ収集に向けて質問票調査を設計し、実施する。なお昨年度と同様、在日外資系企業・多国籍企業本社・他国子会社に対する面接調査もわせて実施し、分析枠組みの精緻化をめざす。
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