研究課題/領域番号 |
23330141
|
研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
井上 崇通 明治大学, 商学部, 教授 (70281566)
|
研究分担者 |
菊池 一夫 明治大学, 商学部, 教授 (00341280)
村松 潤一 広島大学, 社会(科)学研究科, 教授 (30182132)
庄司 真人 高千穂大学, 商学部, 教授 (50317658)
石川 和男 専修大学, 商学部, 教授 (60300034)
田口 尚史 茨城キリスト教大学, 経営学部, 准教授 (60530045)
河内 俊樹 松山大学, 経営学部, 准教授 (90581504)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | サービス・ドミナント・ロジック / 文脈価値 / 価値共創 |
研究概要 |
今年度は文脈価値重視型企業の特性を解明するための理論的、実証的研究を行った。理論的研究としては、文脈価値がサービスドミナントロジックに基づいた研究であることを前提としてその中心となるサービスの概念について文化的、国際的な視点での比較検討を行った。サービスの多義性と製品を通じたサービスの提供、および日本型企業の製造体制の関係について考察を行った。また、サービスの交換に関する価値共創の構造について、サービス・エコシステム、資源統合という視点から検討を加えた。 さらに、サービスドミナントロジックに関する主要概念を元にして文脈価値重視型企業の特性について事例の考察を行った。文脈価値重視する企業は、企業と顧客とのリレーションシップを中心に展開する企業であり、交換段階での価値を重視する以上に顧客とのリレーションシップやインタラクションを重視することを強調すると考えられる。そこで、自動車メーカー、精密機器メーカーなど複数の日本企業における文脈価値重視の事例を分析した。まず自動車メーカーは複数のメーカーにおいて、製品の価値を訴求するよりも顧客の価値実現を強調する場面を訴求することが多いことが判明した。従来の製品を中心としたマーケティング活動ではなく、顧客の使用場面や顧客による価値実現を強調する活動は、文脈価値を強調するマーケティング活動として捉えることができる。その背景として、経済の成熟化に伴って、企業と顧客が継続的な製品の売買による関係構築が難しくなっていることが考えられる。長期的なリレーションシップを構築するに当たって、顧客とのインタラクションを検討するために、ウェブを活用する事例も多く見られている。精密機器メーカーを始め、アパレル企業に見られるウェブを活用した顧客とのインタラクションは交換価値を重視するのではなく、文脈価値を訴求するものとして捉えることができる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
事例研究については、概ね順調に進展しており、文脈価値重視型企業を明らかにするための諸概念について着手できている。
|
今後の研究の推進方策 |
事例研究とインタビュー調査をさらに将来に行うとともに、企業と顧客とのリレーションシップと顧客による資源統合を明らかにするための実証的分析にむけた事例研究を進める予定である。
|