研究課題/領域番号 |
23330144
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研究機関 | 流通科学大学 |
研究代表者 |
向山 雅夫 流通科学大学, 総合政策学部, 教授 (00182072)
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研究分担者 |
崔 相鐵 流通科学大学, 総合政策学部, 教授 (10281172)
白 貞壬 流通科学大学, 商学部, 准教授 (60400074)
趙 命来 香川大学, 経済学部, 講師 (60582228)
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キーワード | 逆進出 / 小売国際化 / 新興市場 / 現地適応 |
研究概要 |
本年度の研究計画に基づき、以下の研究を行った。 1 研究会開催 (1)第1回研究会実施(2011.5.23 於:流通科学大学) (2)第2回研究会実施(2011.8.1 於:流通科学大学) (3)第3回研究会実施(2011.11.2 於:流通科学大学) 2 小売国際化プロセスに関する文献レビュー 3 逆進出先進事例の探索 4 先進事例企業へのインタビュー調査及び新興国現地流通市場視察(2012.3 於:インドネシア) 具体的成果は以下の通りである。 (1)小売国際化既存研究では、競争優位性をもつ先端小売企業を対象として理論構築されており、進出された市場から成長した現地企業を対象として分析する研究はほとんどないことが判明した。この事実から、「現地小売企業の逆進出」なる本研究の核概念は、小売国際化研究の次なる研究可能性を十分に示唆するものであるといえる。 (2)数少ない逆進出事例として、韓国ロッテ・ショッピング、台湾統一超商が挙げられることが分かった。 (3)試行的な事例研究として、インドネシアに進出したロッテ・ショッピングにインタビュー調査を実施した。 その結果、「既存小売国際化研究が暗黙に想定していた"競争優位性を持つ自社のビジネスモデルを海外移転する"のではなく、現地市場適応的に新たなビジネスモデルを構築して進出する」というパターンが存在することが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
想定以上に既存研究が乏しく、それゆえに文献研究があまり進展しなかったことが、当初計画との差異である。しかしこのことは、本研究自体が既存研究の枠を超えた新しい現象を捉えようとしていることを意味している。それゆえ、本研究は既存研究をベースにした仮説検証型ではなく、仮説探索型の研究を志向すべきであることを示唆していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
(1)既存小売国際化研究のレビューを引き続き行うとともに、サービス業などの逆進出研究から示唆を得るべく、文献探索範囲を拡大する (2)仮説探索のためには、逆進出事例に対する徹底的な調査が必要となる。次年度以降は、事例研究探索とともに、標的事例を早期に決定し、本格的な調査を開始する
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