歴史から見る公正価値会計―会計の根源的な役割を問う―

2013 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 23330151
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 会計学
• 研究機関: 大阪経済大学
• 研究代表者: 渡辺 泉 大阪経済大学, その他部局等, 名誉教授 (40066832)
• 研究分担者: 平松 一夫 関西学院大学, 商学部, 教授 (40098364) ; 松本 敏史 早稲田大学, 商学部, 教授 (90140095) ; 宮宇 地俊岳 追手門学院大学, 経営学部, 講師 (90609158) ; 高須 教夫 兵庫県立大学, 会計研究科, 教授 (70148732) ; 佐々木 重人 専修大学, 商学部, 教授 (40162367) ; 岡嶋 慶 拓殖大学, 商学部, 准教授 (30308697) ; 小野 武美 東京経済大学, 経営学部, 教授 (10185639) ; 宮武 記章 大阪経済大学, 情報社会学部, 准教授 (60511227) ; 杉田 武志 大阪経済大学, 情報社会学部, 准教授 (80509117)
• 研究期間 (年度): 2011-04-01 – 2014-03-31
• キーワード: 公正価値 / 有用性 / 複式簿記 / 信頼性 / ＩＦＲＳ / 財務会計 / 会計観 / 会計史

研究概要

本研究の目的は、情報提供機能を第一義的とする現代会計の役割に照らし合わせながら、会計ならびにその損益計算構造を支えてきた複式簿記が如何なる役割を担って歴史の舞台に登場してきたのかを再吟味し、これを通して、会計の本質がどこにあるのかを再検討することにあった。さらに、会計の重心を信頼性から有用性に、あるいは検証可能性から目的適合性にシフトさせてきた現代会計が目指す方向性の危うさに歴史というフィルターを通して警鐘を打ち鳴らすことであった。そのため、昨今の資産負債観偏重の公正価値会計が会計の本質に照らし合わせてみたときに、果たして如何なる、そして如何ほどの理論的根拠を持つのかを検討した。

研究成果

• [雑誌論文] アメリカにおける監査基準の発展(下)-そのステートメント化プロセス- (2014)
  • 著者名/発表者名: 岡嶋慶
  • 雑誌名: 経営経理研究(拓殖大学) 巻: 第100号 ページ: 247-298
  • 査読あり
• [雑誌論文] Does Fair Value Accounting Improve Relevance of Accounting Information ? (2014)
  • 著者名/発表者名: 宮宇地俊岳
  • 雑誌名: Otemon Economic Studies 巻: Vol.46 ページ: 37-53
• [雑誌論文] IFRSフレームワーク討議資料の論点/認識および認識の中止 (2014)
  • 著者名/発表者名: 高須教夫
  • 雑誌名: 企業会計 巻: 第66巻第1号 ページ: 137-142
• [雑誌論文] アメリカにおける監査基準の発展(上)-そのステートメント化プロセス- (2013)
  • 著者名/発表者名: 岡嶋慶
  • 雑誌名: 経営経理研究(拓殖大学) 巻: 第99号 ページ: 79-124
  • 査読あり
• [雑誌論文] 19世紀イギリスの株式会社実務-資本区分の実態とその役割- (2013)
  • 著者名/発表者名: 佐々木重人
  • 雑誌名: 専修商学論集 巻: 第97号 ページ: 87-95
• [雑誌論文] 18世紀イギリスで登場する単式簿記再考 (2013)
  • 著者名/発表者名: 渡邉泉
  • 雑誌名: 會計 巻: 第183巻第6号 ページ: 1-15
• [雑誌論文] 単式簿記と複式簿記の関係-複式簿記は単式簿記から進化したのか- (2012)
  • 著者名/発表者名: 渡邉泉
  • 雑誌名: 會計 巻: 第182巻第5号 ページ: 121-135
• [雑誌論文] 公正価値会計の非整合性への歴史からの検証 (2012)
  • 著者名/発表者名: 渡邉泉
  • 雑誌名: 産業経理 巻: 第72巻第3号 ページ: 20-33
• [雑誌論文] 会計の基本機能と公正価値会計 (2012)
  • 著者名/発表者名: 松本敏史
  • 雑誌名: 『歴史から見る公正価値会計-会計の根源的な役割を問う』日本会計研究学会第71回大会課題研究委員会最終報告 ページ: 1-21
• [雑誌論文] 公正価値会計の登場とその時代的背景 (2012)
  • 著者名/発表者名: 宮武記章
  • 雑誌名: 『歴史から見る公正価値会計-会計の根源的な役割を問う』日本会計研究学会第71回大会課題研究委員会最終報告 ページ: 23-44
• [雑誌論文] 公正価値会計の現状と課題 (2012)
  • 著者名/発表者名: 宮宇地俊岳
  • 雑誌名: 『歴史から見る公正価値会計-会計の根源的な役割を問う』日本会計研究学会第71回大会課題研究委員会最終報告 ページ: 45-62
• [雑誌論文] 公正価値会計をめぐる相剋 (2012)
  • 著者名/発表者名: 高須教夫
  • 雑誌名: 『歴史から見る公正価値会計-会計の根源的な役割を問う』日本会計研究学会第71回大会課題研究委員会最終報告 ページ: 63-79
• [雑誌論文] 17 世紀における時価評価 (2012)
  • 著者名/発表者名: 杉田武志
  • 雑誌名: 『歴史から見る公正価値会計-会計の根源的な役割を問う』日本会計研究学会第71 回大会課題研究委員会中間報告 ページ: 81-102
• [雑誌論文] 18 世紀を中心にイギリス簿記書に見る時価評価の登場 (2012)
  • 著者名/発表者名: 渡邉泉
  • 雑誌名: 『歴史から見る公正価値会計-会計の根源的な役割を問う』日本会計研究学会第71回大会課題研究委員会中間報告 ページ: 103-121
• [雑誌論文] 19世紀イギリスの企業会計実務にみられる時価評価の実態 (2012)
  • 著者名/発表者名: 佐々木重人
  • 雑誌名: 『歴史から見る公正価値会計-会計の根源的な役割を問う』日本会計研究学会第71回大会課題研究委員会中間報告 ページ: 123-145
• [雑誌論文] 19 世紀末からのプロフェッショナル監査における資産評価への対応 (2012)
  • 著者名/発表者名: 岡嶋慶
  • 雑誌名: 『歴史から見る公正価値会計-会計の根源的な役割を問う』日本会計研究学会第71回大会課題研究委員会中間報告 ページ: 147-169
• [雑誌論文] 歴史に見る時価会計離脱の諸相 (2012)
  • 著者名/発表者名: 小野武美
  • 雑誌名: 『歴史から見る公正価値会計-会計の根源的な役割を問う』日本会計研究学会第71回大会課題研究委員会中間報告 ページ: 193-208
• [雑誌論文] 提言 : 行き過ぎた有用性アプローチへの歴史からの警鐘 (2012)
  • 著者名/発表者名: 渡邉泉
  • 雑誌名: 『歴史から見る公正価値会計-会計の根源的な役割を問う』日本会計研究学会第71回大会課題研究委員会中間報告 ページ: 209-233
• [雑誌論文] 行き過ぎた有用性アプローチへの歴史からの警鐘 (2012)
  • 著者名/発表者名: 渡邉泉
  • 雑誌名: Working Paper Series(大阪経済大学) 巻: No.2012-1 ページ: 33
• [雑誌論文] 19 世紀前半のイギリス鉄道会計における時価評価の実態 (2012)
  • 著者名/発表者名: 佐々木重人
  • 雑誌名: 専修商学論集 巻: 第94号 ページ: 65-77
• [雑誌論文] 歴史から見る時価評価の位置づけ-取引価格会計としての取得原価と市場価値- (2011)
  • 著者名/発表者名: 渡邉泉
  • 雑誌名: 會計 巻: 第180巻第5号 ページ: 1-16
• [学会発表] 単式簿記の登場とその特質-18・19世紀イギリスにおける新たな潮流- (2013)
  • 著者名/発表者名: 渡邉泉
  • 学会等名: 日本会計史学会第32回大会
  • 発表場所: 兵庫県立大学
  • 年月日: 2013-10-26
• [学会発表] Does Fair Value Accounting Improve Relevance of Accounting Information ? (2012)
  • 著者名/発表者名: 宮宇地俊岳
  • 学会等名: 台湾会計学会
  • 発表場所: 台湾大学
  • 年月日: 2012-12-03
• [学会発表] 歴史から見る公正価値会計-会計の根源的役割を問う(最終報告) (2012)
  • 著者名/発表者名: 渡邉泉・高須教夫
  • 学会等名: 日本会計研究学会第71回全国大会
  • 発表場所: 一橋大学
  • 年月日: 2012-08-30
• [学会発表] 歴史から見る公正価値会計-会計の根源的役割を問う(中間報告) (2011)
  • 著者名/発表者名: 渡邉泉・松本敏史
  • 学会等名: 日本会計研究学会第70回全国大会
  • 発表場所: 久留米大学
  • 年月日: 2011-09-17
• [図書] Fair Value Accounting in Historical Perspective (2014)
  • 著者名/発表者名: Izumi Watanabe(ed.) ・Toshifumi Matsumoto・Noriaki Miyatake・Toshitake Miyauchi・Norio Takasu・Takeshi Sugita・Shigeto Sasaki・Kei Okajima・Takemi Ono
  • 総ページ数: 270
  • 出版者: Moriyama Shoten
• [図書] 「第3章 会計観の転換と複式簿記」, 藤井秀樹編著『国際財務報告の基礎概念』 (2014)
  • 著者名/発表者名: 高須教夫
  • 総ページ数: 45-64
  • 出版者: 中央経済社
• [図書] 「第9章 資金調達・コーポレートガバナンスと会計情報」伊藤 邦雄, 桜井 久勝 (編集)『体系現代会計学第3巻会計情報の有用性』 (2013)
  • 著者名/発表者名: 小野武美
  • 総ページ数: 317-339
  • 出版者: 中央経済社
• [図書] 歴史から見る公正価値会計-会計の根源的役割を問う (2013)
  • 著者名/発表者名: 渡邉泉(編著), 松本敏史, 宮武記章, 宮宇地俊岳, 高須教夫, 杉田武志, 佐々木重人, 岡嶋慶, 小野武美
  • 総ページ数: 264
  • 出版者: 森山書店