研究課題/領域番号 |
23330154
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
坂本 恵 福島大学, 行政政策学類, 教授 (90302314)
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研究分担者 |
佐野 孝治 福島大学, 経済経営学類, 教授 (10245623)
村上 雄一 福島大学, 行政政策学類, 准教授 (10302316)
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キーワード | ベトナム / 外国人実習生 / 研修生 / 人権擁護 / 日越関係 / 韓国 / 台湾 |
研究概要 |
①ベトナム人研修・実習生の就労実態調査と人権侵害状況の重点的国内調査の実施 この制度のもと、いま、全国で何が起こっているのか。過酷な人権侵害、搾取の実態が近年明らかになってきた。2005年、47都道府県で労働局が行った調査によると、研修・実習生を受け入れている866事業所に監督指導を行ったところ、80%の事業所で違法行為があることが判明した。また、法務省入国管理局が「不正行為」と認定し、研修・実習生の受入れを停止させたケースは全国でわずか360機関(2009年)にとどまっており、事態の急速な悪化に政府の実態把握が対応できていない実態が浮き彫りになっている。初年度にあたるH23年度は、国内に在留するベトナム人研修・実習生に対して、就労実態調査と人権侵害発生状況の集中調査を行うことから始めた。なかでも、ベトナム人就労者の多い、東海(愛知、岐阜)、九州(長崎、大分)での関係者からのヒアリング調査を実施した。 ②ベトナム現地調査。帰国研修・実習生への聞き取り、関係機関からのヒアリング ベトナムに帰国した実習生とその家族(ハノイ市および紅河流域の北部農村地域、ハイズン省、バクニン省、ナムディン省。ホーチミン市およびクチ市、チャビン省など南部貧困対象地域)での聞き取り調査を実施。これら地域は、ベトナムから最も多くの研修・実習生を日本に派遣している地域でもあり、また、ベトナム政府が「貧困解消地域」に指定し、優先的に日本への派遣を行っている地域でもある。 ③海外先進事例調査の実施:韓国の「雇用許可制」、台湾・台北市国際交流公司の労働者支援施策等の先進事例の現地調査を実施した
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1)国内調査に関しては、東海近畿、九州での調査を実施しおおむね成果を上げることができた 2)ベトナム現地調査を行い、ハノイ市近郊、ホーチミン市近郊での帰国実習生とその家族からの聞き取り調査を予定通り実施することができた 3)台湾、韓国の先進事例調査を予定通り実施することができた
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今後の研究の推進方策 |
1)国内調査 さらに、東北、中国、四国地域での現地調査を実施する 2)ベトナム現地調査を実施し、カウンターパートナーとなる専門家との研究協力を進める 3)台湾、韓国の外国人労働者保護施策を継続調査を実施し、日本への応用可能性を検討する
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