研究課題
グローバル化によって急速に進む多文化社会において、どのようなメディアの「公共性」が可能なのか。デジタル化の時代、多種多様 な人々の「文化的市民権」をどのように構想できるのか。本研究は、既存の「公共性」や「市民権」の議論を踏襲し近年の国内外の議 論や政策を参照しながら、新しいアイデンティティと「公共性」、「文化的市民権」の関係を検証したものである。完成年度の平成25年度は、(1)過去2年間の議論の整理、(2)多文化社会における文化表現と文化的市民権の調査研究、(3)東日本震災時の在日外国人のメディア文化環境の調査、(4)日本国内の中の異文化と多文化の4点を大きな柱として研究活動を行った。 (1)(2)(3)については、隔月のペースで会議または研究会を開催した。特に今年度はドキュメンタリー映画やアニメ、音楽などの表現活動に注目した。(4)については、10月に沖縄那覇市で公開シンポジウムを開催し、多文化主義のひとつのあり方として沖縄を捉えると同時に沖縄の中の多文化主義を考えた。こうした研究を通じて、マスメディアでは、ナショナリスト的な言説が広まり文化の多様性が不可視化される一方で、ソーシャルメディアや自主制作のドキュメンタリー映画の中でさまざまな活動が広がっていることが確認された。この成果は、平成26年2月に発行した報告書『多文化主義と文化的市民権』(多文化メディア市民研究会発行全120頁)で読むことができる。その一部は、Inter-Asia Cultural Studies等の国際学会等で報告された。また研究組織「多文化メディア市民研究会(MCMC=Media & Citizen-ship in Multi-Cultural Society)」を運営し、HPを通じて情報発信を行った(http://mcmc.main.jp/)。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件) 図書 (5件) 備考 (1件)
『思想』岩波書店
巻: 1081 ページ: 66-70
『法学研究』慶応義塾大学
巻: 86(7) ページ: 125-164
『自治体国際化フォーラム』
巻: 287 ページ: 2-5
http://mcmc.main.jp/