研究課題/領域番号 |
23330160
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
安立 清史 九州大学, 人間・環境学研究科(研究院), 教授 (40192968)
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研究分担者 |
小川 全夫 熊本学園大学, 社会福祉学部, 教授 (40041016)
黒木 邦弘 熊本学園大学, 社会福祉学部, 准教授 (60369832)
高野 和良 九州大学, 人間・環境学研究科(研究院), 准教授 (20275431)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 介護職 / ガラパゴス化 / 介護保険制度 / 福祉NPO / 高齢社会 |
研究概要 |
研究目的は、現在の日本の介護現場における「介護のガラパゴス化」の実態調査のその脱却からの糸口を探ることにある。介護保険制度による規制や監督が強化され、制度の枠外での可能性が縮小していると考えられ、多様な介護のあり方が、介護保険制度に縛られて均一化されているのではないか、というのが調査課題・調査仮説であった。 これに対して、昨年度は、計画どおり、第1に福岡県老人福祉施設協議会と福岡県社会福祉協議会の協力を得て、加盟の施設の介護職などが参加する「介護職員研修」において、介護職員への配布アンケート調査を行った。現在、そのデータを、PSSによる因子分析や重回帰分析などの多変量解析を行っている。 第2に福岡県老人福祉施設協議会の施設長たちと共同研究者の黒木は、韓国・ソウル市の介護老人福祉施設を訪問し、介護現場を支えている実務者と研究者の相互のレベルでの意見交換を行い、介護現場の考える介護のあり方の歪みや問題点についての実態の把握と検証をおこなった。 第3に、介護職の「やりがい」を引き出す先進的な取り組み事例として鳥取県の小規模多機能型居宅介護施設「いくのさん家」副代表の竹本正悟氏、鹿児島県の離島で介護福祉施設を運営する「共生ホームよかあんべ」の黒岩尚文氏などに、研究会に参加いただき、地方の介護の実態や展開の先進事例を研究した。 第4に「介護のガラパゴス化」に関連して、安立と小川は、欧米の「介護」の実態や職務内容と日本のそれとの国際比較の結果を、ハワイ州の高齢社会研究者の学会である Hawaii Pacific Gerontological Societyの「第十七回大会」17th Biennial Conference, 9/11, 2012, Honolulu,にて成果報告を行った。 第5に、高野は大分県日田市中津江村の事例から、過疎集落類型と集落維持の可能性を探索している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画どおりに、順調に調査研究が進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画どおりに順調に調査研究が進んでいる。 調査対象となる社会福祉法人やその職員だけでなく、施設長や生活相談員、ケアマネージャーや外国人介護福祉士などへのヒアリングや調査なども、今後の課題である。また、「介護」の「ガラパゴス化」に関連しては、ヨーロッパ型の「介護」、アメリカ型の「介護」にたいして、東アジア型の「介護」というものがありうるか、その特徴や問題や課題はなにか、なども今年の課題となる。
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