研究課題/領域番号 |
23330164
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研究機関 | 十文字学園女子大学 |
研究代表者 |
鈴木 弘貴 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 教授 (40337639)
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研究分担者 |
小林 直美 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 助手 (90633834)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | グローバルジャーナリズム / オーディエンス / 内容分析 |
研究概要 |
1.オーディエンスアンケート調査 (ア) 世界13か国を対象に、インターネット調査会社を利用してグローバルジャーナリズムのオーディエンスの属性や視聴傾向・動機などを調査した。11年度(23年度)11か国BE=ベルギーEG=エジプトBR=ブラジルRU=ロシアDE=ドイツAU=オーストラリアCA=カナダZA=南アフリカIN=インドPH=フィリピンJP=日本12年度(24年度)2か国TR=トルコAR=アルゼンチン 2. 定量的内容分析 (ア) 録画資料を収集し、それに対するコーディング作業をアルバイトを用いて行った。対象となった録画資料は、9月から11月までの録画資料のうち、無作為に抽出した「構成された4週間」の計28日分である。それぞれ、BBC World News(BBCWN)、CNN International(CNNI)、 Channel News Asia(CNA)、Al-Jazeera English(AJE)、 Euronews(EN)、NHK World(NHKW)の計6チャンネル分、合計168番組をコーディングした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
25年度の実施予定の統計的手法を用いた分析に向け、オーディエンス、内容分析コーディング双方の基礎データの収集ができたため。
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今後の研究の推進方策 |
1. オーディエンスアンケート調査 夏までに因子分析などの統計的分析を終える予定である。 2. 定量的内容分析 今年度はコード化された資料のクリーニングを業者を利用して行った後、統計的な手法を用いて解析を進める。 3. 定性的内容分析 (ア) 定量的内容分析の経過を踏まえ、録画収集した資料の中からグローバルジャーナリズムに特徴的と思われるニュース素材をいくつか選択(5本を想定)し、それらを対象に質的分析を行う。具体的には、Dictationによる言語テクストの解析と、フレーミング理論に基づく映像テクストの解析を試みたい。(イ) 量的分析ととともに25年度中に分析を終える。 4. 送り手調査 定量的・定性的内容分析とオーディエンス調査の成果を踏まえ、グローバルジャーナリズムが取り扱った具体的な事例について、その報道の主体となった現地の記者・編集者に対し、アンケート調査やインタビュー調査などの手法を用いてグローバルジャーナリズムのニュース選択・編集の特徴を明らかにしたい。現時点では、竹島問題をめぐる報道で韓国を、尖閣諸島問題をテーマに中国をそれぞれ訪問し、東京特派員も含めてインタビューを実施する予定である。また、これらグローバルジャーナリズムのアジアでの編集本部(シンガポール、クアラルンプール、香港)における編集者への調査も行いたい。研究代表者はすでに過去において、今回調査対象となっている各局の本部のニュース編集責任者にインタビュー調査を実施しており、そこで得られたデータと複合的に照合・検討することで、グローバルジャーナリズムの実態に多角的に迫れるものと考えている。実施時期は、定量的・定性的内容分析とオーディエンス調査の成果が出そろった後である必要があるため、25年度末から開始したい。進捗状況によっては26年度以降の研究課題として継続的に取り組んでいくつもりである。
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