研究課題/領域番号 |
23330165
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研究機関 | 麗澤大学 |
研究代表者 |
黒須 里美 麗澤大学, 外国語学部, 教授 (20225296)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 歴史人口学 / ライフコース / 家族 / 人口史料 / イベントヒストリー分析 / 東北 |
研究概要 |
本研究は近世から近代移行期における東北日本に着目し、二本松地域と村山地域に残存する良質な人口史料を利用して庶民のライフコース分析を行い、直系家族システムにおける世帯と個人の人口学的行動とのつながりを明らかにすることを目的としていてる。昨年に引き続き、麗澤大学人口・家族史研究プロジェクト室を研究拠点として、具体的には以下の3点を中心に進めた。 (1) データ入力とデータベースの構築:岩代国安達郡南杉田村(1678~1870年宗門人別改帳)224世帯の石高・貸借情報の入力を終了した。動態情報(出生、死亡、結婚、移動)などの詳細を含め、全体の4分の1の入力が完了した。 (2) 比較分析のための背景情報の整理:地理情報を含めた様々な媒体の史料情報を整理するために開発した検索プログラムを改修した。地域比較の可能性を多角的に検討することが目的である。PCバージョンアップのための更新とともにコンテンツの修正・更新を行った。 (3) イベントヒストリー分析:日本人口学会(札幌)、「東アジアの歴史人口学」ワークショップ(中央研究院人文社会研究中心 Academia Sinica、台湾)、Social Science History Association 年次大会(シカゴ)、国際人口学会大会(IUSSP、釜山)に参加し、分析軸の一つである、町場と農村の比較と、結婚、出生、移動のイベントヒストリー分析の成果発表を行った。また、これらの機会を利用して、東アジアにおける歴史人口学の理論的発展と、長期データベースを利用した比較研究について議論することができた。さらに、本研究の理論的・方法論的ベースであり、また二本松地方の2農村も含めて進めている国際比較研究(ユーラシアプロジェクト)の結婚・再婚分析の成果をMIT Pressから出版(2014年近刊)するための準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
村山地方のデータベースが二本松地方のものとタイプが違うため、その情報の追加や統一に予想以上に時間がかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
前半にマンパワーを導入し、プログラミングによる効率化を図る。後半には村山地方に焦点を絞って分析を進める予定である。
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