研究課題/領域番号 |
23330170
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
小島 宏 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (90344241)
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研究分担者 |
新保 敦子 (小林 敦子) 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (90195769)
店田 廣文 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (20197502)
桜井 啓子 早稲田大学, 国際教養学術院, 教授 (70235216)
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キーワード | 国際社会 / エスニシティ / 東アジア / ムスリム / 共生 |
研究概要 |
本研究は日本、中国、韓国、台湾でマイノリティとして生活するムスリムと非ムスリム・マジョリティの異文化間接触に伴うライフスタイル変容に焦点を当て、家族、宗教団体、経済活動、教育の次元を分析対象としながら、各国における両者の共生の現状と課題を明らかにすることを目的としている。 初年度は連携研究者・研究協力者を交えた研究体制を整え、さらに、早稲田大学重点領域研究「アジアにおけるムスリム・マイノリティと非ムスリム・マジョリティの共生に関する国際比較研究」とも連携して研究組織を確立した。研究の手法は2つに分かれる。第一の定量的研究としては、各国で利用可能なマクロデータ・ミクロデータの収集・分析を中心とする。日本についてはミクロデータの再集計や二次分析を踏まえ、富山県射水市で質問紙調査を実施した。韓国については上記別プロジェクトの調査結果を共有することとし、台湾については第2年度に予定される質問紙調査を実施するための準備作業を開始した。第二の定性的研究としては、中国・韓国・台湾各国の個別的研究を踏まえた上で、各国の法制度上の宗教マイノリティの位置づけの検討を行っている。日本における組織拡大の現状を分析するための比較対象としてトルコにおける組織についても調査を行った。ライフスタイルの一側面としてのハラール食の研究にも着手した。 成果公開と意見交換のため、研究打ち合わせ・研究会を開催し、国外の研究協力者らを招聘して国際ワークショップを開催した。また滞日ムスリムとのネットワーキングのためにマスジド代表者会議を主催した。成果の一部は、各参加者が論文・学会報告などの形で公開した。全体として、特に日本の現状の普遍性・特殊性を明らかにしつつ、ムスリム・非ムスリムの共生に向けてどのような社会統合施策を講じることが望ましいのかという点を中心にして考察を進めるための基礎的な情報の整理を行ったと言えよう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究会、マスジド代表者会議、国際ワークショップ、連携研究で実施した海外質問紙調査については当初の予定以上に達成したが、そちらに時間を取られたこともあり、国内調査の一部については若干の遅れがみられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後、国内調査の一部についてみられる若干の遅れを取り戻し、所期の目的を達成するように努力する。
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