研究課題/領域番号 |
23330171
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研究機関 | 大阪経済大学 |
研究代表者 |
石田 淳 大阪経済大学, 人間科学部, 准教授 (40411772)
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研究分担者 |
渡邊 勉 関西学院大学, 社会学部, 教授 (30261564)
浜田 宏 東北大学, 文学研究科, 准教授 (40388723)
中野 康人 関西学院大学, 社会学部, 教授 (50319927)
古川 彰 関西学院大学, 社会学部, 教授 (90199422)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 数理社会学 / 相対的剥奪 / グローバリゼーション / 不平等 / ジニ係数 / 主観的幸福 |
研究概要 |
本研究は、グローバル化する現代における人々の相対的剥奪を、理論的・実証的に解明することを目的とする。具体的には、(1) 質的・量的データによる不平等状態と人びとの満足/不満感との関連の記述、(2) 数理モデル、シミュレーション・モデルによる相対的剥奪メカニズムの解明、(3) 相対的剥奪のメカニズムを考慮したマクロレベルでの資源配分状況の指標の開発と応用、を目指す。 数理モデル領域では、Yitzhakiの相対的剥奪モデルと指数に依拠した経済発展と相対的剥奪のパラドックスモデルの発展と応用で成果があった。このモデルをより包括的な一般モデルに発展させるとともに、中国の民工の幸福感といった具体的問題への応用を進めた。これらの成果は、国際学会(The 5th Joint Japan-North America Mathematical Sociology Conference, The 11th Conference of the Asia-Pacific Sociological Association)にて報告するとともに、その主要部分についてはJournal of Mathematical Sociology誌への掲載が決定した。 フィールド・計量領域では、ネパール・カトマンズ近郊のKirtipur地区において、相対的剥奪を主題とした500サンプル規模の質問紙調査を平成25年3月に実施した。また、人々の抱く相対的剥奪と準拠集団選択の関連、そのほかの社会経済的地位との関連を探るための実験的な質問紙調査を、インターネット調査という形で平成25年2月に日本国内で実施し、結果の分析を始めた。 そのほか、SSPプロジェクト(代表:吉川徹大阪大学准教授)との共同で準拠集団選択を統制する相対的剥奪実験を実施し、その結果を分析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度のプロジェクトの最大の目玉であった、国内インターネット調査とネパール質問紙調査を無事に実施することができた。また、理論的にも一定の進展が見られた。さらに、研究成果の査読誌への掲載も順調に進んでいる。よって、研究プロジェクトはおおむね順調に進展していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の完成年度である平成25年度は、各班がこれまで得られた知見・結果の整理を行う。特に、平成25年2-3月に実施した国内インターネット調査、ネパール・カトマンズ近郊のKirtipur地区における500サンプル規模の質問紙調査の結果を整理し、分析を集中的に実施する。 そして、研究プロジェクトにおいて得られた研究成果を全体で統合し、成果報告という形で外部に発信する。
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