研究課題/領域番号 |
23330179
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 福岡県立大学 |
研究代表者 |
門田 光司 福岡県立大学, 人間社会学部, 教授 (50269081)
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研究分担者 |
鈴木 庸裕 福島大学, 人間発達文化学類, 教授 (70226538)
半羽 利美佳 武庫川女子大学, 文学部, 准教授 (70330503)
比嘉 昌哉 沖縄国際大学, 総合文化学部, 准教授 (50342431)
大門 俊樹 東京福祉大学, 社会福祉学部, 講師 (80594647)
奥村 賢一 福岡県立大学, 人間社会学部, 講師 (90584699)
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キーワード | 学校ソーシャルワーク / スクールソーシャルワーカー / スーパービジョン / 生徒指導 / 不登校 |
研究概要 |
平成23年度は、2つの調査を実施した。1つめは、スクールソーシャルワーカー(以下、SSWと記す)のスーパービジョン(以下、SVと記す)体制を有する北海道、福島県、千葉県、東京都、神奈川県、静岡県、三重県、京都府、大阪府、和歌山県、兵庫県赤穂市、香川県、高知県、福岡県、熊本県、鹿児島県、沖縄県の17自治体にて、SVへの聞き取り調査である。調査結果では、SSWへのSVの実施形態・方法・回数がそれぞれ自治体によって大きく異なり、17自治体すべてでSSWの専門性を向上するための体系化されたSVプログラムが実施されていない状況が見いだされた。今回の調査結果から、本研究目的であるSSWの専門性を向上するためのSVプログラムを開発していく重要性及び必要性が立証された。 2つめの調査は、韓国でのSV体制の聞き取り調査である。韓国は1996年にSSW事業を実施しており、わが国より先行したSSW事業を展開している。韓国でのSSWの人材養成は、韓国学校社会福祉士協会と韓国学校社会福祉学会が共同して実施しており、養成プログラムも体系化されている。今回の調査では、体系化されたSSWの人材養成プログラムの詳細な内容説明と、テキスト及び豊富な資料を得ることができた。また、日韓のSSW事業についての意見交換をはかることができた。調査結果では、SSWの人材養成でのSVプログラムは体系化されているが、現任のSSWに対するSVプログラムは開発中であることがわかった。現任のSSWに対するSVプログラムの開発は日韓両国の研究課題であるため、本研究成果における韓国学校社会福祉士協会の関心も非常に高い。その意味で、本研究は国内のみならず、国際的にも関心が高い研究である。そのため、今後は日韓での共同研究を通して、本研究を継続していくことにした。 以上のように、平成23年度の調査は、本研究目的を達成しているうえで有意義な結果と成果を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度の研究計画である(1)国内調査の実施と(2)韓国調査の実施を遂行した。また、今回の韓国調査を通して、今後、本研究目的を達成するうえで韓国のSSW研究者と共同で取り組んでいく体制が築かれた。
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今後の研究の推進方策 |
今後はアメリカ、カナダにおけるスクールソーシャルワーカーのスーパービジョン体制についての調査を実施する。そして、調査より得られた一連の成果と文献研究を通して、スクールソーシャルワーカーの専門性を向上するためのスーパービジョン・プログラムを開発し、実施し、その有効性を検証していく。本研究計画は順調に遂行されており、研究計画の変更や研究を遂行する上での問題点が特にない。
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