研究課題/領域番号 |
23330186
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
埋橋 孝文 同志社大学, 社会学部, 教授 (60213427)
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研究分担者 |
矢野 裕俊 武庫川女子大学, 文学部, 教授 (80182393)
阿部 彩 国立社会保障・人口問題研究所, 社会保障応用分析部, 部長 (60415817)
山縣 文治 大阪市立大学, 生活科学研究科, 教授 (10159204)
大塩 まゆみ 龍谷大学, 社会学部, 教授 (90269738)
室住 眞麻子 帝塚山学院大学, 人間科学部, 教授 (00249442)
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キーワード | 貧困 / コンピテンシー / 福祉プログラム / 教育プログラム / 進路不安定大学生 / 自己肯定感 / 母子家庭 / 児童養護施設 |
研究概要 |
2011年度は全体研究会を計11回開催し、また、4つのグループもそれぞれ研究会をもつなど活発な研究活動を行った。各グループの具体的な実績は以下のとおりである。 A班:大阪市内小・中学生に対するアンケート調査(案)を作成 B班:京都市ユースサービス協会の協力を得て進路不安定新卒者に対するアンケート調査を実施。現在インタビュー調査を実施中 C班:旅館「加賀屋」の現地調査を実施、現在、母子家庭の母親に対するインタビュー調査を企画中 D班:児童養護施設の職員、子どもに対するインタビュー調査の実施に向け、理論的な問題の検討中科研調査研究では自前のデータを得ることが重要であり、上の各グループはそれに向けて鋭意努力中である。 全体研究会では、イギリスのシュアスタート、大津市内の生活保護世帯および母子家庭の中学3年生を対象とした学習支援のボランティア活動、大阪市西成区の学校現場における子ども支援、京都のユースサービス、スクールソーシャルワーク、解放教育についてゲストスピーカーを招き、関連する領域についての知見を深めた。また、貧困に対する子どものコンピテンシーやレジリエンス、子どもの貧困と親の貧困との関係、今回の科研調査の趣旨とそれぞれのグループの研究内容との関係についてのけ科研ンバーによる報告などを行った。 海外調査では、香港、韓国、フィンランド、イギリスにおける「困難を抱える子ども」への支援活動の現状と直面する課題を学んだ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
各グループが独自調査を企画し、実施途上にあることは高く評価される。また、ゲストスピーカーを招いての研究会や海外調査も実り多いものであった。ただし、これまでのところ、先行研究の本格的検討とその中から期待される本科研プロジェクトの独自性の明確化にはまだ至っていない。また、「貧困に対する子どものコンピテンシーをはぐくむ福祉・教育プログラム開発」という本科研の全体テーマと各グループの研究内容とりわけ調査とのすり合わせがまだ不十分である。
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今後の研究の推進方策 |
基本的に研究計画の変更はなく、また、2011年度のプロジェクトの方向性を継続する。 2012年度は各グループの調査を進捗させることが基本的な課題である。 と同時に、上の「11.現在までの達成度」でふれたような先行研究の検討を精力的に行い、本科研プロジェクトの基本的コンセプトと各グループの調査との有機的な関連性の明確化に努める。 理論的な問題についての推進方策としては、First step●概念の明確化(作業仮説の設定=コンピテンシーの中身についての仮説)、Second step⇒●調査による検証もしくは仮説の探索、具体化(コンピテンシーの内容、構造、関連などの確定)、Third step⇒●コンピテンシーを育むための条件整備や対策、プログラムの提案という形を踏襲することを考えている。とりわけこの手順に従って、グループAとグループDの調査を実施する予定である。
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